スーパー店頭で見かける「このシイタケ、私がつくりました!」の意味とは?
<このキュウリは茨城県の戸田さんの畑でとれました!>
<シイタケはこちらの農家さんから契約しています>
スーパーでよく買い物をされる方ならば見覚えがあるでしょう。野菜やキノコ類のコーナーで、顔写真とともに生産者と生産地を紹介しているポップを見かけたことはありませんか?
スーパーがこうした方策をとりはじめた背景には、消費者への親近感と信頼感の醸成があると言われます。消費者の心理として、誰がつくっているのかわからないものを食べるよりも、つくっている人の顔が見えるほうがその作物が安全であろうという考えが基底にあるからです。
こうした消費者意識は、2000年台初頭に発生したBSE問題以降、より顕著になりました。牛肉の流通経路の詳細を辿れる「牛トレーサビリティ制度」が導入されたのは「食の安全」がクローズアップされたことがその背景にあります。
生産者の紹介を信じている消費者43.0%
しかし、これで食の安全が確保されたと考えるのは早計なようです。というのも、本当の問題はこうした食品の情報が、そもそも信頼に足るものであるかにあると指摘する声があるからです。
本サイトが20代〜60代の消費者1500名を対象に実施したアンケートでは、スーパーの野菜・果物コーナーに貼られた農家の写真「私がつくりました」を100%信じていると答えた人は43.0%。実に半分にも満たなかったのです。
いくら食品にかんする情報が公開されても、消費者から「それ、本当なの?」という疑問が入ったとすれば、ある種の人たちにとってはその情報自体に価値を持たれなくなってしまいます。データの改竄や間違った生産者の名前が掲載されている可能性がゼロではない以上、もっとも重要なのはデータの客観性と検証プロセスの可視化であると彼らは主張します。
その点で言えば、情報提供者は商品の情報以前に、その信頼感をいかにして担保するのかが重要なのかもしれません。
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究極的には信じるしかない?
本調査に答えた30代の主婦は、スーパーに並んだ食品情報にかんして以下のようなコメントをしています。
「厳密に言えば、生産者の顔が見えることとその野菜が品質的に安全であることには関連がないとも言えます。私が通っているスーパーで野菜生産者の顔と名前が実は違う、なんてことはないと思いますが、情報の根拠を辿れるほど私たちは時間も知識もありませんから、究極的には信じるしかないのかもしれません」
いずれにせよ、リスク管理と情報の信頼度をいかに高めていくかについては、消費者・生産者ともにさらなる努力が必要なのかもしれません。
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年2月13日(金)~2月16日(月)
対象:全国20代〜60代 男女1500人
(文/しらべぇ編集部)