【ビジネス】日系コンビニはなぜインドネシアで大成功したのか?
国内では、ファミリーマートとサークルKサンクスの経営統合が話題になる昨今。コンビニ各社の視線は、すでに飽和状態にある国内から海外へと移りつつあります。
東南アジアの一国、インドネシアでも多くの日系コンビニが見られます。日系コンビニは、いかにして現地の人々の心を掴んだのでしょうか。
その背景には、従来の枠にとらわれない、日系コンビニの変貌が隠されていました。
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■インドネシアの日系コンビニは2階建て
まず、インドネシアの日系コンビニは、2階建てのお店がしばしば見られます。中に入ってみると、1階は日本と同様の商品売り場、そして2階はイートインスペースという形。
日本のコンビニでもイートインスペースは増えているものの、ワンフロアを丸々使っている店舗は多くありません。
さらに、イートインスペースには、FreeのWifiも整い、コンセントまで設置されています。まさに機能性抜群のスペース。
若者が友達とおしゃべりを楽しんだり、ミーティングをしたり、PCを開いて作業に没頭していたりしています。日系コンビニは、インドネシアで「カフェ化」していたのです。
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■「屋台文化」への適応がポイント
では、なぜ、日系コンビニはカフェ化を遂げることで、現地の人々の心を鷲掴みにできたのでしょうか。
その人気の裏には、日系コンビニのマーケティング力と、現地の文化に対する適応力があるようです。元々インドネシアの人々は、「屋台で食べ物を購入してはすぐにその場で食べる」という食習慣を持っていました。
イートインスペースを拡充させた日系コンビニは、見事にフィットを果たしたようです。
手ごろな価格で商品を購入し、Wifi、電源を使い放題で楽しめることができるというのは、現地の人にとってありがたいスペースのようです。
多くのインドネシア系のコンビニがイートインスペースを持たない中で、カフェ化した日系コンビニは独自の地位を築きつつある様子。
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■日本のオリジナリティも同時に「輸出」
変貌を遂げたとはいえ、日系コンビニのそのアイデンティティも残り続けています。
例えば、セブンイレブンでは焼き鳥、ローソンではおでん・おにぎり・たこ焼きといったように、多くの日本食を販売。
また、ローソンでは日本でもお馴染みのPontaカードまで。「コンビニ行く時はPontaカードを忘れずに持っていかないと」と現地の人も語るほど、必須アイテムとなりつつあるようです。
もはやインドネシアの人も、「日本からやってきたコンビニだとは知らなかった」と言うほど、現地の生活になじんでいる日系コンビニ。
そこには、アイデンティティを守りながらも、現地の文化への適応を目指す日系コンビニの努力がありました。海外進出を目指す多くの日系企業への成功のヒントが、隠されているのではないでしょうか。
(文/しらべぇ編集部・じゅんぺい)