バーター、〇〇枠、生き残る方法…視聴者はテレビの「自己言及」的内容に辟易?
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テレビでよく耳にする「バーター」という業界用語の意味をご存知ですか? これは、「抱き合わせ出演」を表す言葉で、テレビ番組などにおいて、メインの出演者と同じ事務所に所属するタレントをあわせて出演させることを意味します。
元々は芸能界の業界用語でしたが、バラエティー番組において多くのタレントが口にすることによって一般層でもその認知度が高まりました。
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■バーター、〇〇枠、ひな壇…
さて、この「バーター」という言葉が一般層に広まった背景には、昨今のバラエティー番組における“自己言及”的な内容の増加があると思われます。
たとえば、“芸能界で生き残っていく方法”が出演者同士のあいだで語られたり、「女性アイドル枠」や「ハーフタレント枠」、「モデル枠」などといった“枠”を特集するトーク番組が組まれたり…。
そのなかで、「バーター」「ひな壇」といった業界用語が一般層にまで浸透しました。
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■視聴者はどう感じてる?
では、そういった“裏側”が前面にフィーチャーされるようになった昨今のテレビ番組について、視聴者はどのように感じているのでしょうか?
今回、20代から60代の男女1658名を対象に、以下のようなアンケートを実施してみました。
【「芸能界で生き残る方法」や「バーター」「〇〇枠」など、最近のテレビは自己言及的な内容が多すぎだと思う】
全体では、およそ3人に1人が「自己言及的な内容が多すぎる」と感じているようです。では、年代別に見てみるとどうでしょうか? 以下は、年代別の「そう思う」と回答した割合です。
このように、60代で一気に数字が上がる結果となっていますが、全年代でやはり約3割程度は「多すぎる」と考える人が存在していました。
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■「芸能界で生き残っていく方法なんて、視聴者には全く関係がない」
今回の調査では、回答者のみなさんよりフリーアンサーも募集しました。なかにはテレビに対する厳しい声も見られましたが、印象的な声を紹介していきましょう。
「わざわざバーターだと言っても、見ている側としては知らなくてもいい情報だから、言うとイライラする」(男性、20代)
「一般人が業界用語を使うことをバカにするタレントがいるが、『そっちがテレビでバンバン使ってるから知るんだろ』と思う。視聴者の存在が完全に置いてきぼり」(男性、30代)
「『ハーフ枠』など、そういうのは見ている視聴者が名づけるべき。自分から言うなんてと思う」(女性、20代)
「最近バラエティー番組を観ているとこういう表現をする人がいるが、高齢者などがこういう言葉を聞いても意味がわからないと思う」(女性、30代)
「芸能界で生き残る方法なんて、わざわざ電波を通して伝授されても意味がない。わたしたちの普段の生活に全く関係がない」(女性、40代)
「業界用語のみならず、誰が誰の先輩だとか、芸歴の話をしているのがあまり快く感じない。業界内の上下関係など私たちに何の関係もない情報。誰もがテレビを見ているような前提であれこれ話されるのを見ると、内輪で楽しんでいるだけだと感じ、継続して見る気を失ってしまう」(男性、30代)
このような指摘のほか、具体的な番組名を挙げて“エール”を送る声も見られました。
「『ロンドンハーツ』は元々大好きな番組だったが、いつの間にか、知らないアイドルがたくさん出てきてその人たちが芸能界で生き残っていく方法を語り合う内容の番組になってる気がする」(男性、30代)
「『世界の果てまでイッテQ』のような、何も考えずにただただ笑える番組がもっと観たい」(女性、30代)
寄せられた意見は具体的な内容のものが多く、その行間から内心ではテレビが好きであることがひしひしと伝わってきます。紹介した辛辣な声の数々は、今後への期待の表われなのかもしれません。
(文/しらべぇ編集部)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年3月20日~2015年3月23日
対象:全国20代~60代男性計1658名