一文字違いで致命的になる言葉【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
小さいころ、クリスマスソングの「真っ赤なお鼻のトナカイさん」を「真っ赤なお鼻のコサカイさん」だと聞き間違えていた、俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供のころから芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
トナカイとコサカイのように、「響きは似ていても、まったく意味が違ってくる言葉」は多々あります。その中でも「それとそれを間違えてしまうと致命的」という組み合わせを発見したので、ご紹介させて頂きます。
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■「ミーティング」と「コーティング」
©iStock/Torsakarin
ミーティングとは、打ち合わせや会議のこと。コーティングは、お菓子であったり工業製品の表面を包み込む作業のことです。
「ミ」と「コ」、たった1文字を入れ替えただけでとんでもない事態が起こります。
「ふんわりとミーティング」
いや! しっかりやれよ! きちんと話し合えよ! 女子か!!!
「膝を突き合わせ、朝までしっかりとコーティング」
なんか嫌だ、ムサ苦しそうでとても嫌だ。そんな環境で作られたスイーツ食べたくない。
どちらかというと「繊細」で「柔らかい」イメージの「コーティング」と、「大胆」で「固い」イメージの「ミーティング」。1文字入れ替えただけで、真反対の印象になってしまうのです。
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■車の防水がとんでもないことに
「半永久的にミーティング」
嫌だ! 結論を出そ! 結論を!
「市長が青空の下で、子供達とコーティング」
もしもこれが! トリュフの作り方だったら! ココアパウダーをふりかける作業の話だったら、とても不衛生! 子供は土とかいじった手で、普通に食べ物触るよ!?
なんかもうこうなってくると、架空の人物なのに「市長」すら不潔そう。
1文字入れ替えると意味が大きく変わる言葉、バカバカしいですがやってみると「その言葉がもつ、本来の印象」を知ることができるので、皆様も是非探して、試してみてください。
まずは「イメージ」と「ダメージ」辺りがオススメ。
「ダメージビデオ」は、すっごい痛いグラビアアイドルが出てくるビデオ。
「イメージジーンズ」にいたっては、想像上のファッションなので実際は半裸です。
ね? 面白いでしょ?
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)