刑務所を出所した人の再起を手助けする新宿歌舞伎町「駆け込み餃子」が美味いしすごい
刑務所を出所した人が働くという斬新なコンセプトを掲げる店が新宿歌舞伎町にあるという。店の名前は「駆け込み餃子」。
刑務所から出所しても、恐怖心や猜疑心のイメージが強いゆえに就職できなかったり、就職できても社会性の不足によりうまく馴染めず孤立してしまう出所者に、新たな就労機会と社会性訓練の場を提供して再犯防止・社会復帰を促進させたい狙いの店だ。
実際にどんなお店なのか、お店に食べに行ってみた。場所は新宿歌舞伎町のど真ん中。今年オープンしたTOHOシネマズのすぐそばにある。
内装は江戸時代の火消しをイメージしており、4月にオープンしたばかりとあってとても綺麗だ。
壁には一面に名前の入った木札が入っている。この店の賛同者が木札を購入し、その支援金が研修費や社会復帰のために活用されるという仕組みだ。知っている名前もちらほら見受けられる。
店内は1階にカウンターとテーブル席、2階にはゆったり座れるテーブル席がある。
まずはビールで乾杯! 最初のつまみはかつおの塩辛(酒盗)。品数は少ないが、飲み好きにはちょうどいいメニューがずらりと並んでいる。
お次の切りピーマンも塩昆布とシャキシャキのピーマンの苦味がうまく絡んでとても美味しい。
そして餃子がスタート。その名も「肉汁火消し駆け込み餃子(焼)」だ。名の通り肉汁が非常に熱いのでメニューにも「駆け込み餃子はおやめください」と書かれている。肉汁をこぼさないようにレンゲにのせて餃子を駆け込む。
駆け込み餃子は焼きだけでなく揚げもある。やはり熱いので駆け込んではだめ。
次に濃厚白濁炊き餃子だ。鍋に野菜と一緒に餃子が入っている水餃子タイプ。
肉汁がじゅわ〜っと出てきてスープと絡めてすするとこれまた美味しい!
と、ここで馬肉登場。駆け込み餃子という店名だが、商品構成は餃子と馬刺しとおでんがメインとなっている。すごい組み合わせだ。が、どれも鮮度よく、生臭さなどなくどんどん食べられる。たてがみからヒレたたきにレバ刺しなど9種類と豊富に用意されている。
トイレには出所者の再チャレンジを支援するポスターが。店の本気が伝わってくる。
と、すっかり食べるのに夢中になっていたが、「肝心の出所者は?」というと、店長によると
「今は数名に働いてもらっていますが、まず厨房のドリンク担当からスタートしています。どうしても人と接することが怖いという気持ちがまだあるので少しずつスタッフとの会話から慣れていってもらってそのうち接客など前にも出てきてもらいたいと思っていますよ。みんながんばって働いてくれているので店としても期待しています」
とのこと。こういった人々の働く場を飲食店が積極的に提供することで社会貢献につながるというのは斬新な取り組みであるし、うまくいってほしいものである。何より実現しているのがすごい。これからに期待したい。
新宿 駆け込み餃子 歌舞伎町店
http://www.kakekomi-gyoza.com/
住所:新宿区歌舞伎町1-12-2 第58東京ビル1階・2階
電話:03-6233-7099
(文/しらべぇ編集部・denco)