「国道」の起点は法律で決まってる?欠番がある理由は?【法律コラム】
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もうすぐ、本格的に夏がやってきます。夏休みとなれば、帰省や観光地へ向かうクルマで、一般道・高速道路問わず、全国各地の道路が渋滞するシーズン。
そんな道路、中でも「国道」についての法律やデータ、ご存知でしょうか?
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①いちばん長い国道・短い国道は?
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日本でいちばん短い国道は、兵庫県神戸市にある国道174号。その距離は、なんとたったの187m。とっても短い道路ですが、神戸港からの物資流通の起点になる重要な道路となっています。
一方、もっとも長い国道は、国道4号。東京都中央区から、青森県青森市までじつに888.8㎞の道のりです。
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②道路の起点は「日本橋」…でも、法律で決まっている?
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じつは、この国道4号の起点となる東京中央区の日本橋は、国道4号以外にも、6つの一般国道(1号・6号・14号・15号・17号・20号)の起点となっており、「日本国道路元標」が設置されている場所なのです。
つまり、日本のすべての道路の起点は、日本橋ということ。 ですが、実は現行法のなかには、「日本国道路元標」の設置根拠となる法令はありません。
日本橋に「道路元標」を置くきっかけは、大正9年(1920年)に旧道路交通法施行令が施行され、その8条で、
「東京市ニ於ケル道路元標ノ位置ハ日本橋ノ中央トス」
と、定められたことに端を発しています。さらに、同年に施行された旧道路法により、昔は日本橋が日本の全ての国道の起点であることに法的な根拠があったのです。
しかし、道路法が改正され、「道路元標」の設置・管理義務はなくなり、「東京市道路元標」についてもその役割を終えました。
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③国道にはなぜ欠番があるのか?
国道は1号から507号まであるのに、総数は459路線しかありません。
昭和27年(1952年)に施行された旧道路法では、国道の区分は、番号が1桁・2桁の一級国道と番号が3桁の二級国道に分けられていました。
その後、昭和39年(1964年)に道路法が改正され、一般国道に統一。当時、国道は、1号から57号、101号から271号まで存在していました。
しかし、統一後は、原則新設の国道には3桁の番号を指定することになったため、58号から100号は欠番となったのです。
その後、昭和47年(1972年)に沖縄が日本に返還され、鹿児島県鹿児島市から沖縄県那覇市の道路が特例として国道58号に指定されました。
また、109号は108号に統合され、110号は48号に、111号は45号に、214号から216号は統合され57号になり、今に至っています。
(文/弁護士・佐藤大和)