【日本政府も危惧】海外で目にするアメリカ産の『和牛』って一体なに!?
©iStock/KYOGOYUGO
海外のレストランでメニューを開くと、目にすることがある「US Wagyu Beaf」という言葉。
世間的には「日本の牛肉」とイメージされる和牛ですが、「アメリカ産の和牛」とは、一体どういうことなのでしょうか。
和牛は、日本在来の牛をもとに品種改良が重ねられてきたもの。
松坂牛、神戸牛、近江牛といった名だたる銘柄牛もが和牛の代表的な例。そんな日本が育てあげてきた和牛ブランドですが、法律上では、和牛は産地に限らず特定の品種のことになります。
つまり、和牛は日本に由来を持つ種であるものの、法律では日本固有の牛とは認められていないため、海外では「Australia Wagyu」「US Wagyu」と呼ばれる牛肉が市場に溢れているのです。
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■海外の人々が抱く「和牛」のイメージとは?
海外の人々は和牛に対してどのようなイメージを抱いているのでしょうか。海外の人に和牛について尋ねてみると、以下のような答えが返ってきました。
・和牛という言葉自体を聞いたことがなかった(10代女性・中国・大学生)
・日本語を勉強したとき、『和』の漢字がつくと日本のものを指すと学びましたが、普段アルファベットで目にする「Wagyu」が日本の牛肉のことを気づかなかった(20代女性・インドネシア・会社員)
じつは、世界ではまだまだ日本の和牛ブランドの浸透度は低く、様々な産地の和牛ブランドが横行しているというのが現状。
農林水産省の報告書によると、地域差はあるものの、6か国中4か国で和牛を具体的に知っているという人は30%以下。
世界的に見れば、和牛に対するイメージを抱く以前に、和牛という言葉が浸透していないことがわかります。
また、和牛を具体的に知っていると回答をした人の中にも、「オーストラリア産の牛肉のこと」だと答える人もいたとか。世界を見渡すと、和牛が日本で飼育された牛だと考えている人はごく一握りにすぎないようです。
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■日本産和牛を世界的ブランドへ
画像は農林水産省のスクリーンショットです
農林水産省も、この状況を危惧。そこで、日本で生まれ育ち、血統が証明された和牛には統一のマークをつける取り組みがはじまっています。
こうした取り組みを通して、世界に向けて日本の和牛ブランドを確立していくことが目指されているのです。
(文/しらべぇ編集部・じゅんぺい)