使ってたら注意?「1+1は2以上になる!」の例え話はなぜ若者を辟易とさせるのか?

2014/10/01 15:00


しらべぇ 1+1

個人ではなくチームで作業に取り組むことの効用としてしばしば語られることの一つに、チームで取り組んだほうが個人の場合よりも高いパフォーマンスを発揮できるというものがあります。

1人で1時間かかる作業に2人で取り組んだ場合、30分より短く終わらせられた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、1人で考えるよりも2人で会話しながら考えたほうが圧倒的にアイディアが湧きやすいと答える方も少なくないでしょう。

こうしたチームで作業に取り組むことの効用を「1+1は2以上になる」という例え話しを使って説明する人を見かけたことはありませんか?このたとえが言いたいことは、チームでなされるパフォーマンスは数学の足し算のように個人のパフォーマンスを単純に足し合わせたものにならない、ということです。


■約3人に1人が「1+1は2以上になる!」のたとえに辟易している

しかし、このたとえに辟易するという方がいます。以下の調査結果をご覧下さい。

【質問】

「1+1は2以上になる」のようなたとえに辟易としていますか?

・辟易している:29.3%
・何も感じない:70.7%
(調査方法:インターネットリサーチ「Qzoo」、調査期間:2014年8月15日(金)~8月19日(火)、対象:全国20代~50代 男女ユーザー計1200名より抽出)

およそ3人に1人が辟易しているというのです。さらに世代間で結果を見てみると、興味深い傾向を得ることができました。

【世代別】

「1+1は2以上になる」のようなたとえに辟易している人の割合
・20代:34.3%
・30代:26.3%
・40代:27.3%
・50代:27.3%

20代の若者が上の世代に比べて辟易している人が多い結果となっています。それでは、なぜ若者は「1+1は2以上になる!」に辟易するのでしょうか?

今回は、20代の声を一部ご紹介しましょう。

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■「たとえ方が稚拙」「そもそも足し算という数式設定が間違い」という声

「直属の上司がこの手の言い方を好む。いわゆるシナジー効果の説明をしたいのはわかるが、たとえが稚拙。数学のルールで『1+1=2』となっているのに、わざわざそれを誤った回答にしてまで使う意味が分からない。ほかの方法で主張を伝えることは十分できると思う」(20代・男性・プログラマ)

「これに限らず、比喩として『1+1』を持ち出す先輩や上司は少なくないが、例外なく彼らはセンスがないと思う。熱くなってきた上司から『1+1は~』と言われた瞬間に『またか』と思う」(20代・男性・営業)

「小学生のころ『1+1は?』という問題を出して『2!』と答えられたら『ブッブー!答えは田んぼの田でしたー!』と言って相手をからかう遊びが流行りましたが、あのときから日本人はなぜこんなに『1+1』が好きなのか疑問で仕方ありませんでした。繰り返される『1+1』トークに私たちはいつまで付き合い続けなければならないのか考えるとウンザリします」(20代・女性・事務職)

「チームでのパフォーマンスの高さを説明しようとすれば、単なる個人の能力の足し算ではなく『チームパフォーマンス』の関数を入れたものになるはず。その意味で『1+1』というたとえ方自体がそもそも間違っていると思う。理系出身者からのツッコミです」(20代・男性・エンジニア)

若者にとって、『1+1』のシンプルなたとえ話が辟易される理由はそれを聞きすぎて陳腐に感じられるからというものでした。よく耳にするメッセージを何度も何度も聞かされても印象に残らないと彼らは言います。相手になにかメッセージを伝えたい場合、使い古された表現ではなく新鮮な言い方にするなどの工夫が必要である、という指摘を聞いたことのある方もいるでしょう。今回の調査結果は、そうした指摘を思い出させるものとなりました。

(文/しらべぇ編集部

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