プールの塩素濃度は水道水と変わらない?独特のあのにおいの正体とは…
7月も半ばになると、多くの小中学校ではプール開きが始まります。レジャー施設のプールへ遊びに行く人も多いでしょう。
そのプールと切っても切り離せない関係にあるのが、消毒のための「塩素」。
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■塩素濃度を気にする必要はあるのか?
しらべえ編集部が20~60代の男女1,666名を対象に行ったアンケートでは、3割以上の人が「プールの塩素が気になる」と回答しました。
また、塩素を気にする人は、年代が上がるごとに増加。
60代以上の人の約半数が、塩素を気にしていることがわかります。
そもそも、プールに塩素を入れるのは大腸菌などの病原菌を除去するため。「遊泳用プールの衛生基準」として、厚生省によって遊離残留塩素濃度が0.4~1.0(mg/L)と定められています。
よくプールの監視員がしている水質検査も、この基準を満たしているかどうかチェックするために行われているのです。
ちなみに、プールだけではなく、「水道水」も塩素消毒がなされています。こちらは「水道水法」という決まりにおいて、遊離残留塩素濃度が0.1~1.0(mg/L)の範囲になるように調整されています。
ここで、「あれ?」と思う人も多いはず。実は、「プールの水も水道水も、塩素濃度がほとんど一緒」なのです。
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■水道水にはない、あの独特のにおいの正体は?
塩素濃度は同じはずなのに、プールでは水道水にはあまり感じられない、あのプール特有のにおいがします。これを、「塩素のにおい」だと思っている人が多いでしょう。
しかし、実はあのにおい、塩素「だけ」のものではなかったのです。
プールは大勢の人が利用します。当然、多くの人が入るほど、水質は悪化してしまいます。
あのにおいの正体は、人の汗や体の汚れが水中に溶けて生じた「アンモニア性窒素」と塩素が反応してできた、「結合塩素(クロラミン)」という物質です。
そのため、水道水にはないプール特有のにおいがするのです。クロラミンは皮膚、目、呼吸における刺激や痛みとともに、不快な臭いの原因にも。
実際に、プールの混雑時などは、上記のメカニズムでクロラミンが多く生成し、プール中の塩素濃度が低下するということが起きるようです。
プールに行くときは、「できるだけ混んでいない時間」を狙うのも、ひとつの手かもしれません。
(文/しらべぇ編集部・かずきち)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2015年6月19日~2015年6月22日
対象:全国20代~60代男女計1,666名