「花」の語源は「鼻」と関係ある?【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
「黒田くんの話には根拠がないのに、謎の説得力がある」と、一部で有名な俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
先週の連載で「林と森の区別は人工かどうか」ということを書かせていただきましたが、それ関連を調べていて面白かったのが「林」の語源。
人が「はやす」から「ハヤシ」と、いうことだそうなのですが、これは以前筆者が考察した、「鳥」は獲物として「獲る」ものだから「トリ」なのではないか…という説の裏付けにはならないでしょうか?
■由来を紐解くと面白い
そう考えると、身近なもの、単純なものほどこうした「関連性のある動詞と似通った発音の名詞」がついていると想像できるものが多い。
たとえば「海」などは、生命の起源であり、全てが生まれた、つまり「生み出された場所」だから「ウミ」なのではないかであったり、「川」は、流れが「変わりやすい」から「カワ」なのではないかなど、好奇心をかき立てられます。
英語で、海は「sea(シー)」、「生む」ことの象徴である女性を「she(シー)」と呼ぶ響きの類似性も興味深いと思いませんか?
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■その言葉が生まれた時代背景へ思いを馳せる
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こうして身近な名詞を考察していく中で、最も気になったのが「ハナ」という言葉。 「咲く」であれば「サク」「サキ」などと呼ばれるべきなのに、「サク」は「ハナ」の一種でしかない、「サクラ」に使われています。
「似た響きの言葉」から推測するに「放つ」や「離れる」などが該当するのでしょうが、これは「香り」の話なのでしょうか?
花は、見た目の方がインパクトの強いものの方が多い気がするのですが、「草」を「臭かった」から「クサ」だと仮定すると、この言葉たちが生まれた時代は「匂い」の方がインパクトの強い社会だったことの証明なのかもしれません。
その「香り」や「匂い」を嗅ぐのも「ハナ」ですし。 言葉の成り立ちを想像することで、つきつめるとその当時の人々の五感まで想像することができるのではないか。そんな考察でした。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)