「なるほど」という便利な言葉の落とし穴【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
他人の話を「1聞いて10知り、100にしてしゃべる」と噂の、俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
■悪気のない相づちのつもりが…!?
©iStock/deeepblue
「なるほど」。
これほどまでに便利な言葉が他にあるでしょうか? あらゆる会話をこの一言で終わらせることが可能です。応用力ランキングがあるとすれば、文房具ならハサミ、武器でいえばピストルと同等(?)。
しかし、筆者は致命的な欠点を見つけてしまいました。ついつい、この言葉を「分解」してしまったのです。
「なるほど」は一般的に、話の相づちとして「理解しました」という意味で使われますが、この言葉を「なる」と「ほど」に分けて考えてみたのです。
まず「なる」は「成る」、何かが完成したり達成したりすること。そして「ほど」は「程」、おおよそだったり「ある程度」という意味で使われます。 だとすれば「全部は理解できていません」という話になりますよね!?
つまり、「なるほど」は、「大体わかりました」「わかった的な感じ」「わかった風」、極端に言えば「ふ〜ん」と同意の言葉なのです。
「なるほど」で話が終わりやすいのは、もしかするとそれを受けた話し相手が「ああ、こいつ全部は理解するつもりがないんだな」と、感じることが原因かもしれません。
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■ビジネスに使うのもオススメしない
ビジネス的にもあまりいい言葉ではないようなので、大人の皆様は何か説明など受けたときには、「なるほど」ではなく、「わかりました」や「了解しました」、「かしこまりました」を使われることをおすすめします。
むしろ、わからない時は「わかりません」と言ったほうが、好印象の可能性もあるのではないでしょうか。
ちなみに、筆者はコールセンターでのバイトが長く「かしこまりました」がクセになっていたので、そのあとの引越し屋のバイトで「かしこまりました」と返事をして、上司にめっちゃ引かれました。
「相づちの使い分け」、皆様も気にしてみてはいかがでしょうか?
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)