日本人は高級「感」を求めている? 【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
「なぜいつも第3のビールを飲んでいるのか?」と、聞かれたら「コスパがいいからです」と、即答する俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
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■「ちょっと贅沢」がお好きな現代人
「鼻セレブ」という、ティッシュペーパーをご存知でしょうか?
もともとは「モイスチャーティッシュ」という商品名だったのですが、「鼻セレブ」に改名したとたん、一気に売上が伸びたという逸話は有名ですね。
そういえば筆者の大好きな第3のビール「金麦」のラベルにも、大きく「リッチモルト」と書かれています。 世間は今「高級感」を、求めているのではないでしょうか?
これを裏付ける様に最近、「セレブ」「リッチ」「プレミアム」などとついた商品名を多く見かけます。
気をつけなければいけないのが、あくまでも消費者が求めているのは「高級感」であり、「高級」を求めているわけではない、ということ。
「シャネル」は「シャネル」で十分なのです。「プレミアムシャネル」とか言われても、逆に安っぽく感じてしまいます。
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■気持ちは現代版武士!
何故、安価なものに高級感を求めるのか? 「見栄を張りたい」と、いうことであれば他を節約して、本当に高級なものを買えばいいわけです。
そもそもソレが安く売られていることは周知の事実。なぜバレバレなのに、日本人には「高級感」がウケるのか。 筆者の考察は、こうです。
「武士は食わねど高楊枝」貧しくてもプライドは高く持とう、という意味のことわざなのですが、その気高い精神が現代まで息づいているのではないでしょうか?
リッチモルトを145円で買っている僕は、武士なんです!
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■今後も加速する?!
©iStock/ deeepblue
今後も消費者の気位は加速するでしょう。
「マック」が「ビッグマック」になり「メガマック」になった様に、「サイヤ人」が「スーパーサイヤ人」になり、「スーパーサイヤ人ゴッド」「スーパーサイヤ人ゴッドスーパーサイヤ人」となった様に…。
「鼻セレブ」も進化を遂げ「スーパリッチロイヤルゴッドメガ鼻セレブ」とかになるかもしれません。そのときは「日本人の気位の高さだ」と、優しく見守っていきたいと思います。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)