魚偏にあの季節だけ存在しない?寿司屋で話したくなる魚介の名前ネタ5選
「味がいいからアジ」と単純すぎる諸説や、なぜか「バカ」呼わりされている貝。魚の名前には面白い話がつきもので、寿司屋で酒の肴にもちょうどいい。そこで、魚の「名前」にまつわる、ちょっと使える豆知識をご紹介しよう。
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①︎魚偏に「夏」という漢字は存在しない
魚偏の漢字でどの魚かを当てるのは鉄板ネタだ。四季の漢字なら「魚」に「春」なら鰆(サワラ)、「秋」なら鰍(カジカ)、「冬」なら鮗(ヒイラギ)との漢字がある。では、魚偏に「夏」ならなんと読むのか?
結論として魚偏に「夏」という漢字は存在しない。代わりに魚夏と書いて「ワカシ」と読む。以前もしらべぇでお伝えしたが、「若鰤」とも書くワカシは、漢字のとおり「鰤(ブリ)」の幼魚。
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もともと「鰍」も日本で無理やりつくった漢字とされているので、「魚夏」もひとつの漢字にまとめてほしいところである。
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②同じ魚でも、川と海で名前が変わる!
©iStock / OVasik
日本人に馴染み深い「鮭」、その中でも「紅鮭」はもっとも日本人が食べている種類だ。川の上流で生まれたサケの仲間は、海に降るものと川や湖に残るものに分かれる。紅鮭の場合、そのまま川に残ったものは「姫マス」と呼ばれる。
両者は、オトナになったときの大きさや色などもまったく異なる(川に残ったもののほうが小さい)。
「海で大きくなるほうが強い稚魚だったのか」と思うかもしれないがその逆で、なわばり争いに負けたグループが川を追い出される。
「大きくなって見返してやる!」というささやかな復讐をまさに地で行く魚なのだ。
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③貝殻と身があわないからアワビ?それとも合うからなのか?
アワビは二枚貝の片方が無く、身が貝殻からはみ出ている。一見一枚貝なのだが、実は二枚貝の仲間。
片方の貝殻がないと思われ、貝殻と身があわないことから「あわぬみ(不合肉)」としてアワビになった説と、身と貝殻がピッタリくっついているので「あはすみ(合肉)」から転じた、という真逆の説がある。一体どちらなのだろうか?
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④シマアジは20以上もの地方名を持っている!
「シマアジ」というのは東京での呼び名。全国では、それぞれ別の名前で呼ばれているのをご存知だろうか。
例えば和歌山県では「ソイ」と呼ばれることが多い。また、だいたい10kg以上や1m以上の特大シマアジは「オオカミ」と呼ばれ、釣りファンの憧れとなっている。ちなみに「シマアジ」という呼び名は伊豆諸島でよく獲れるアジだから。
本日のシマアジの10kこれをオオカミと言う pic.twitter.com/x31qCVBIG4
— 海惣丸 (@S_Kaisou) June 4, 2013
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⑤バカ呼ばわりされるヒメガイ
「バカガイ」とは、アオヤギをさし、千葉県内でよく収穫される。潮の満ち引きや砂地に合わせて一夜ごとに移動するために「場替え」と呼ばれ、転じて「バカ」となったとされる。
ちなみに「アオヤギ」も貝そのものの名前ではなく、かつてバカ貝の集積地であった千葉県内の上総国青柳村(現在の千葉県市原市青柳)が由来。また、アオヤギ(バカガイ)を炙ったものを「ヒメガイ」と呼ぶ地域も多いようだ。
ヒメガイが日本酒に合いすぎる pic.twitter.com/1E1TpNJElm
— 表アッ! (@uraarts) May 27, 2014
(文/しらべぇ編集部・髙橋夏帆)