初めて慣用句を思いついた人の凄さを証明する【黒田勇樹の妄想的語源しらべぇ】
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最近「常にクリエイティブでありたい」と、思いながらも仕事をすればするほど、アイデアが枯渇していくジレンマと戦っている俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。
このコラムでは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べ、妄想をふくらませていこうと思います。
以前この連載で、「よく考えると、怖いことを言っている慣用句」という内容の記事を書かせていただきましたが、そもそもこの慣用句の表現を「初めてした人」って、すごいと思いませんか?
■「喉から手が出そうだ」と初めて言った人
「なにかが欲しい」と思ったときに「喉から手が出そうだ」と、思ったわけです。 物凄い身体感覚と表現力。飢えや乾きといった欲求に直結した部位である、喉。そしてその欲望の対象を掴み取る部位、手。
この2つを世界で初めて組み合わせた人には、ノーベル文学賞をあげてもいいのではないでしょうか?
筆者を含め現代を生きる人々は、皆、この「最初の人」の言葉を借りて、端的かつスマートに「とても欲しい」ということを相手に伝えることができるのです。
「初めて慣用句を言った人」界のなかでも、伝説の存在であることでしょう。この人は、文学賞というより「なんでそんなことを思いついたのか」を、国家レベルの専門機関で分析するべきだと思います。
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■「目からウロコが落ちる」と初めて言った人
どうして!? どうしてそんなこと思いついたの!? 目からウロコが落ちたことがあるの? それ以前に目にウロコ入ったことあるの? 漁師なの!?
喉や手や目は、まだ自身が持っている器官ですから感覚的にわかりやすいものの、人間にはウロコがありません。 一体どんな状況で、誰がこの言葉を生んだのか、非常に気になるところです。
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■ なぜ人は共感できるのか
よく考えるとやはりホラーなこの慣用句に、なぜ人類は共感しているのかも中々のミステリーです。魚だった頃の記憶が遺伝子に残っていて、ウロコの感覚を覚えているのでしょうか? 本当にどこかの機関が研究してくれないでしょうか?
なにげなく使っている言葉の中身は、まだまだロマンやミステリーが隠されている。そんな考察でした。
(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹)