あなたのココナッツオイルは大丈夫!?良質なバージンココナッツオイルの見極め方

2015/11/07 10:00


ココナッツオイル

昨年、爆発的なブームを巻き起こしたココナッツオイル。ブームは落ち着きつつあるものの、一時は入手困難と言われたほどの人気ぶりは、記憶に新しいところです。とりあえず試しに買ってみたという人もいるのでは。

でも、品質まで気にしたことがありますか? 「バージンココナッツオイルという名前なら大丈夫?」甘い! 実は同じバージンココナッツオイルでも、品質には大きな差があります。

今回は、ココナッツオイルを作り11年目という、バリ島在住でOne More Bali Sorp代表の今川さんに、良質なバージンココナッツオイルの見極め方についてお話を伺いました。


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■生産者こだわりの製法とは?

まずは、今川さんのバージンココナッツオイル作りのこだわりについてご紹介します。

「収穫後2~3日程度おいたココナッツの実がベスト」

収穫直後は水分が多すぎるのでNG。逆に1週間以上経過すると、ココナッツが古くなるので、オイルも質も下がってしまうとのこと。今川さんは、ご家族の所有する森に豊富にココナッツが自生しているので、最適なココナッツを手に入れることができるそうですが、市場などで長期保存したココナッツを使っている生産者は多いと言います。

ココナッツオイルこのくらいの鮮度がベスト!

「低温圧搾法で抽出」

難しい言葉ですが、要は削ったココナッツに水を加えて攪拌し、ココナッツミルクとオイルが分離するのをひたすら待つという方法です。分離して浮き上がったココナッツミルクがオイルを蓋のように覆い、約3日間かけてゆっくり発酵していきます。

この行程を経ることで、酵素やビタミンEを含むココナッツオイルが出来上がるそう。ただ時間も手間もかかるので、一度に大量に生産するには限界があるとのことでした。

一方、加熱処理法は低温圧搾法よりも数倍の量のオイルを抽出できますが、ビタミンEや酵素が含まれなくなってしまうので、バージンココナッツオイルの良さがなくなってしまいます。さらに、加熱処理法で抽出したココナッツオイルは酸化しやすいので、長期保存には向かないとのことでした。

ココナッツオイル発酵中のココナッツミルク(上ずみ)

ただ、こうした作り手のこだわりは、消費者にはなかなか伝わりにくいものですよね。そこで、良質なバージンココナッツオイルを見分けるための、簡単な判定法を教えてもらいました。


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■固まっているか

ココナッツオイルは25度以下で固まるという特徴があり、「涼しいと固まる」のはココナッツオイルの基本中の基本とも言えるポイント。これからの寒い季節には、ほぼ間違いなく固まります。もし固まらなかったら……それはなんらかの処理がなされている証拠です。


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■無色透明

良質なバージンココナッツオイルは、水のように無色透明。多くの製品が、白く固まった状態で販売されていますが、25度以上の環境で一旦溶かしてみてください。もし無色透明であれば、低温圧搾法で抽出されたバージンココナッツオイルの可能性が高いそうです。

加熱処理で抽出したオイルは、必ず黄色く色が残ります。また、白く濁っていたり、不純物が沈んだり浮かんだりしている場合は、ココナッツミルクが混入している可能性があります。ココナッツミルクは時間と共に腐敗していくので、そのまま使うのは避けましょう。

ココナッツオイルこの透明度がポイント


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■臭い

ココナッツ特有の香ばしく甘い香り。実はこの香りが強ければ強いほど、加熱処理をしている可能性が高いのだとか。低温圧搾法で抽出されたオイルは、少し酸味がかった香りと、ココナッツ臭が比較的少ないことが特徴だそう。

また、古いココナッツで作られたものや、不純物が混入しているオイルは、古くなった油の臭いや、場合によっては腐敗臭がすることもあります。

その一方で、無臭のココナッツオイルも要注意。薬剤などを使って、脱臭処理が行われている可能性があります。その結果、オイルに含まれる栄養が失われてしまったり、逆に脱臭剤などの添加物が含まれたりするリスクが高くなります。


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■バージンはバージンでも・・・

本来は、低温圧搾法でバージンココナッツオイルを抽出した後に、残ったココナッツをさらに加熱してココナッツオイルを絞り出すそうですが、最初から加熱処理で抽出したバージンココナッツオイルも存在します。たとえ加熱処理でも一番絞りは一番絞りということでしょう。

お試し買いして、キッチンの戸棚の中に眠っているバージンココナッツオイルがあるのなら、早速判定してみてはいかがでしょう。

さて、あなたのバージンココナッツオイルの判定結果はいかに。

 (文/しらべぇ海外支部・平理以子)

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