【清純派アイドル論】我々は「平祐奈」に試されている
※画像は平祐奈公式LINEBlogのスクリーンショット
2010年代も半ばを過ぎ、我々は多くの経験から「美少女の清純」というのは、信じられぬものだと学んだ。
恋愛禁止のアイドルグループを見ては、どうせしばらくしたら週刊誌やネットでスキャンダルが出るのだろうと考え、女優としての才能が開花しかけた美少女を見ては、どうせ園子温の映画で「一皮むける」という名の下に脱がされるのだろうと考える。
信じられるのは、「井森美幸16歳、誰のものでもありません」というキャッチフレーズでデビューした井森美幸がいまだに誰のものでもないという鉄板ネタくらいの2015年。
我々は作られた清純イメージには極めて懐疑的な視線を向けるようになっている。
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■現代の清純派アイドル平祐奈
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そこで平祐奈である。女優の平愛梨を姉に持つ新進気鋭の17歳。
姉のブログにたびたび登場しては美少女ぶりに驚嘆の声があがり、2012年から13年にかけては、「おはガールちゅ!ちゅ!ちゅ!」メンバーとしても活躍。
映画では『紙の月』で宮沢りえの中学生時代を演じて注目され、近年は深夜ながらもドラマ主演を務めるなど、女優としても益々活躍の場を広げている。
そんな平祐奈の何がすごいって「清純」アピールがすごいのである。
・キリリとした太眉が特徴だが、これは母との約束により20歳になるまで眉毛を剃らないと決めているから。ちなみに炭酸もコーヒーも20歳までダメ。
・2015年12月13日放送の「行列のできる法律相談所」では、「恋愛ドラマのオーディションに受からない」という悩みを吐露。その理由は、20歳になるまで恋愛禁止と兄と約束しており、恋愛経験がないので感覚がよくわからないから。
・好きな男性のタイプは「中身がおじいちゃんの人」で「髪を遊ばせている人が苦手」。
・15〜16歳の頃、まだお父さんとお風呂に入っていることを、テレビ番組で何のてらいもなく披露。
中には「清純」というか「無邪気」の類いのエピソードもあるが、いまどき珍しいほどに無垢っぷりを前面に出している。
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■いままでの清純派アイドルは、というと
確かに平祐奈の発言は、我々が自分のことは棚にあげて勝手に抱く「清純」のイメージ、「性格が純朴そう」「すれてなさそう」「遊んでなさそう」「イケメンやプレイボーイは苦手で、中身で選んでくれそう」「貞操観念がしっかりしてそう」などに合致している。
しかしどうだろう。
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我々は、石原さとみもデビュー当時は太眉で、細眉全盛時代にもかかわらず眉毛を整えたりしない純粋な子というイメージで売り出したが、いつの間にかその設定がなくなったことを知っている。
我々は、『恋のから騒ぎ』の番組中、男性経験がないことを明石家さんまにいじられ照れていた小林麻央が結局選んだのが、市川海老蔵だったことを知っている。
そして我々は、広末涼子は別に渋谷が苦手ではなかったことを知っている。
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■実際のところはどうなんだ?平祐奈
平祐奈は本物の清純か。はたまた全て計算ずくで清純を装う天性の女優か。
度がすぎる天然ぶりで知られる姉を見るにつけ、前者であることを信じたくなるが、まだ予断は許さない。
「そんな女いねえよ」の一言で片付ける女性たちの声は聞こえないふりをして言うならば、まあ大勢いたら2〜3人くらい何か出るのはしょうがないよね的なアイドルグループが当たり前のこの世で、平祐奈は一筋の光明に見える。
彼女の清純を信じるか信じないか。我々は平祐奈に試されている。
(文/前川ヤスタカ)