言葉の「絶対値」について考えると無限スパイラルだぞ

2016/01/14 19:00


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白菜が大好きで茄子が嫌い女が好きで男が嫌いな俳優/ハイパーメディアフリーターの黒田勇樹です。こんにちは。

好き嫌いって意外と生きていくのに大切な感覚だと思っているのですが、皆様はいかがお考えですか?

このコラムは、子供の頃から芸能の世界で台本や台詞に触れ続け、今なお脚本家やライターとして「言葉」と向かい合っている筆者の視点から、様々な「言葉の成り立ち」について好き勝手に調べる「妄想的」な語源しらべぇです。



■「好き」の反対は「嫌い」?

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©iStock.com/FREEGREEN

このコラムでも、よく語源や由来の検証のために使う「反対語」。これについて「好き」の反対語は「嫌い」ではなく「無関心」という説を、耳にされたことはないでしょうか?

「甘い」の反対は「辛い」ではなくて「苦い」であったり、その構造は複雑です。

筆者なりに考えてみたところ、言葉にも数学でいう「絶対値」があり、「ゼロ」か「1」かを反対語とするのか、「−1」を「1」の反対語とするのかということが、明確に区別されていないのではないかという問題が浮上してきました。


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■「進化」と「退化」

生物の生態が、より環境にあった形になっていくことを「進化」といいます。

たとえば、元々あった目や指がなくなることを「退化」と言いますが、生物学的にはこの「目や指がなくなること」自体は環境への適応であり「進化の一環」、つまり「退化」は「進化」の一種であり、「長方形」の一種が「正方形」である、というのに近い考え方があるようです。

では、「進化」や「退化」の反対語は何になるのか?

先ほどの絶対値論を用い、ゼロイチで考えると「無変化」もしくは、「完成」となります。 でも「完成」の反対語は、「進化」や「退化」ではなく、「未完成」ですよね?

この結果からしてもどうにも「言葉」というのは、定義を完成させることが難しいもののようです。「絶滅」が「進化」の反対語に最も近いのか…。でも「絶滅」の反対は「反映」だよな…。

考えればキリのない「言葉の不思議」について、今年も思う存分妄想を広げていこうと思いますので引き続きよろしくお願いします。

(文/ハイパーメディアフリーター・黒田勇樹

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