まさに奇跡のいちご!完全無農薬いちご農家『だいしん農園』がスゴい
12月も終わりの時期を迎え、冬休みに入り家族でどこかへ出かけるということも増えた。旬の「いちご狩り」を楽しむ人もいるが、じつはいちごには平均60回前後、収穫まで農薬を使用することが多いという。
もちろん生産者の栽培方法にもよるし、農薬についても国の基準に則った安全なものを使用しているため健康を害することは無いが、できるだけ体に良いものを食べたいと思うのは皆同じ気持ちだろう。
画像をもっと見る
■完全無農薬・無肥料のいちご農家が熊本に
そんな消費者の気持ちを感じてか、なんと「完全無農薬・無肥料」でいちごを栽培しているこだわりの農家が熊本県に存在するらしい。これはフルーツ好きとして気になる! ということで取材をしてきたぞ。
その農家は熊本県でもスイカなど美味しいフルーツがとれることで有名な、植木町にある『だいしん農園』。ウワサでは「ミスターストロベリー」と呼ぶ人もいるほどの、いちごに命をかけた人物らしい。
到着すると親切なお弟子さんの女性にご案内いただき、ビニールハウスに入れてもらう。確かになかは農薬や肥料の臭いは一切なく、心地よいいちごや野菜の香りでいっぱいだ。
よくハウスを見てみると、奥でもくもくといちごを摘み取っている男性の姿が! 女性いわく「私には手伝わせてもらえないんですよ(笑)」とのこと。コレだけの広さの農園のいちごを手で摘むなんて、ものすごく大変だろうに…。
関連記事:砂糖の原料はサトウキビだけじゃない!北海道の農家でテンサイについて聞いてきた
■ひとりで朝から昼までいちごを手摘み
なんと朝早くからお昼前までおひとりでいちご摘みを毎日しているそうだ。邪魔してはいけないので、摘みおわるのを自慢の野菜を見せてもらいつつ、しばらく待つ。
すると、ザルいっぱいに冷えたいちごを持ってきてくれた! 見た目は職人肌な感じがしてちょっとコワそうなご主人の楠田大伸さんだが、シャイだけどじつはとても優しい人らしい。さっそくいちごをひとつぶいただいてみると…!
関連記事:農家や牧場にも行ける!ボランティアとアルバイトの中間「ボラバイト」を体験してき た
■こんな食感のいちごは初めて!
こ、これは! いつものいちごの食感が「ジュワッ」と柔らかいのに比べ、だいしんさんのいちごは「シャクッ!」という歯ざわり。決して固いワケではなく、どことなく梨にも近いような心地よい食感だ。
その後にいちご本来の香りと、甘さと酸味のバランスがとれた美味しさが口いっぱいに広がる。品種は紅ほっぺだそうだが、品種の枠にとらわれない素晴らしい味わいのいちごは、初めてである。
「完全無肥料無農薬のいちご栽培をはじめて1~2年は病気で全滅してしまいましたが、ようやくコツをつかみ、美味しいいちごがとれるようになってきました。 いまではこだわりのスーパーマーケットやケーキ屋さんでお使いいただけていますが、まだまだ赤字です(笑)」
――と笑顔で話すだいしんさん。問い合わせがあれば通販もされているそうだが年内はほぼ一般の予約は埋まっており、収穫がピークを迎える来年の発送になるそうだ。
赤字でも美味しくて安全ないちごを届けるために奮闘するだいしんさん、早く黒字にしてあげたい…彼のいちごを食べて応援したい! という人はぜひ注文してみよう。
ちなみに、東京都内ではオーガニックスーパー「ナチュラルハーモニー」で購入することも可能だそうだ。いち早く手に入れたい場合は、そちらをチェックしてみても良いかもしれないぞ。
参考リンク:農薬ゼロのだいしん農園(Facebook)
(取材・文/しらべぇ編集部・熊田熊男)