入学が遅れると成績アップ?大学の9月入学は浸透するのか
みなさんは「ギャップイヤー」という言葉をご存知だろうか? これは高校、大学を卒業してから入学、入社するまでの隙間期間のことである。
グローバル教育機関「海外留学のEF」が実施したTwitterのアンケート機能調査によると、2015年12月時点で「ギャップイヤーという言葉を聞いたことがある」と回答したのは2割で、まだそれほど浸透していないとわかる。
だが、イギリスをはじめ欧米諸国では「学校で学ぶことのできない社会的能力を身につけられる」として、この隙間期間を利用した海外留学やボランティア、ワーキングホリデーなどが推奨されている。
そのため、イギリスやアメリカの一部の大学や企業では、わざと入学、入社時期を9月まで遅らせるところもあるほど。海外で重宝されているギャップイヤーだが、じつは海外だけの話ではないのだ。
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■日本の大学もギャップイヤー制度に注目
日本でも東京大学が2013年から推奨しはじめたことを皮切りに、2015年には文部科学省の支援のもと、12の学校法人でギャップイヤー制度を導入とする動きが始まっている。
実際に9月入学制度の本格導入をしている大学も一部あるが、なぜこの制度に注目が集まっているのだろうか?
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■入学を1年遅らせると成績が上がる!?
ハーバード大学で上級入試役員を務めたロバート・クラゲット氏によると、1年間入試を遅らせて大学に入学した生徒のほうが、通常よりもGPA(4.0満点の成績指標)が0.15〜0.2ポイント高いということが判明したそうだ。
その理由については明らかになっていないが、もしかすると自分が専攻した学問に対してのモチベーションが、普通の学生よりも高くなったからなのかもしれない。
また、アメリカン・ギャップイヤー協会の調査によると、ギャップイヤーを経験した学生300人のうち6割が、「ギャップイヤー期間の経験が、将来のキャリアや自分の専攻する学問の決め手または大きな要因となった」と回答している。
テストや決まった時間に行なわれる学校生活から解放され、自由な時間を使ってさまざまな経験をしたことは、「自分」を見つめ直す貴重な時間のようだ。
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■日本で今後、ギャップイヤーは浸透していくのか?
一浪や一留は、日本では敬遠されがちでもあり、ギャップイヤーが浸透していくには、学生だけでなく保護者からも理解を得られる取り組みが必要だろう。
ギャップイヤーの本質は、学校では学ぶことのできない社会基礎力を身につけること。学業だけでなく、卒業後の進路にも大きく影響を与えてくれると期待し、日本での理解浸透を見守りたいところだ。
(文/海外留学のEF)