【弁護士コラム】写真より具が少ないハンバーガーは法律違反?

2016/03/13 09:00


©iStock.com/Zhenikeyev
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レイ法律事務所代表弁護士の佐藤大和です。

冬になると体重が増えてしまいますね。今冬だけで4キロも増えてしまったので、最近はダイエットをしようと頑張っています(苦笑)。でも、止まらない食欲。

そんな食いしん坊な弁護士ですが、いつも気になっているのが、店頭の写真と提供された料理が異なることが多いということです。

Twitterでは、中身が貧相なハンバーガーの写真が時々アップされていますが、これは某ハンバーガー店だけではなく、いろいろなお店でありますよね。料理が提供された瞬間、「写真と違うじゃん」と叫びたくなるのは私だけではないはず。



■過半数以上が経験アリ!

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アンケートサイト「マインドソナー」での調査の結果、やはり多くの人が経験していることがわかりました。

甘いもの大好き弁護士としては、パフェの量が少なかったり、イチゴが少なかったりしたときは「なん…だと…(怒)」と心の中でザワザワしてしまいます。


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■不当表示防止法違反?

不当景品類及び不当表示防止法という法律では、「商品などの品質や企画等について、実際のものよりも著しく優良なものであると表示」、つまりウソや大げさな表示など消費者を騙すような表示を禁止しています。

たとえば、外国産の安い牛肉を「国産和牛」と宣伝するなど、産地を偽ったりした場合には、不当表示防止法違反になります。しかし、多少量が少ないくらいでは、騙すような表示とまではいえず、不当表示防止法違反にはなりにくいと言えます


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■詐欺罪にはあたるのか?

詐欺とは、簡単に言えば、人を騙してお金を取ることですね。では、写真と実際の料理が異なる場合は、詐欺罪になるのでしょうか?

仮に、産地を偽装したら、詐欺罪になる可能性はあります。ですが、多少写真と異なる程度では、詐欺罪にならないでしょうね。


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■交換は可能?

たとえば、ペペロンチーノを注文したのにカルボナーラが届いたら、「注文と違います」と言ってペペロンチーノを作ってもらうことはできますが、では、ハンバーガーのベーコンが少ないときにベーコンを増量してもらうことは法律上可能でしょうか?

法律上、契約より劣るものが提供されたときは、契約通りのものを出すよう要求できると考えられています。ですが、ベーコンの枚数まで契約の範囲かと言われると、う~ん、微妙ですね…。

明らかに異なる場合には交換はできるかもしれませんが、微妙に量が違う程度では、交換は難しいと言えるでしょう。


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■SNS全盛だからこそ…

さて、どのような業界でも自社の商品を他社よりも良く見せたいという気持ちはありますよね。

しかし、それがやり過ぎの場合には、法律違反になる可能性もあります。そして、何よりお客さん(消費者)の信頼を裏切ることになるため、結果的にはお客さんが離れたりして大ダメージとなります。

ITが進化した今の時代、SNS等で一気に拡散されてしまいます。企業側は気をつけなければなりませんね。

(文/弁護士・佐藤大和

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