新しい東北を発見!「リアス線」をレトロ列車で行く三陸沿岸の旅
NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』の舞台となったことで一躍有名になった可愛らしいローカル線、北リアス線。
東日本大震災によって被災したものの、震災直後の3月16日には一部区間で運行が再開され、復興の象徴として東北の人々に希望を与えた。お座敷列車が記憶に残っている人も多いだろう。
この岩手の北側の久慈駅と宮古駅を繋ぐ北リアス線に対して、南側の釜石駅と大船渡の盛駅を結ぶのは南リアス線だ。
現在、NHKで放送されている震災から5年を迎える三陸沿岸の町大船渡が舞台になっている「恋の三陸 列車コンで行こう!」にも度々登場している。
この南リアス線もまた東日本大震災で大きな被害を受けた地域の沿岸部を繋いでおり、津波によって被災し、全線不通となっていた。
その後、トンネル内に留置された車両を自力で回収。車両、線路共に点検・整備が行われ、2013年4月に一部営業再開、2014年4月には全線で運転を開始した。
復旧にあたってはクウェート政府からの支援を受けており、全線再開の当日は住民が各駅で大漁旗や郷土芸能の虎舞いなどで祝福した。
そして、通常運行の電車と共に走っているのがクラッシックなレトロ列車である。
この列車は、昭和初期の優等車両をイメージしており外観内観ともに重厚ながら、どこか懐かしさあふれる雰囲気。大きな固定窓で、海を背景にした三陸沿岸の美しい四季の風景が楽しめるのだ。
「恋の三陸 列車コンで行こう!」では、市役所職員である主人公がこのレトロ調の列車を貸し切り、町を挙げての列車コンに参加するというシーンで使われている。
この列車、定期的にイベントなどにも使われており、52,000円で個人で貸切の使用が可能。最大店員は48人で、大型のテーブルや、AV機器やカラオケも充実しており、持ち込みの飲食も可能。まさにパーティーにはぴったりだ。
ついでにひとりから貸切可能で、岩手県内在住者は貸切運賃が半額になる補助制度もあるそう。
これから迎える満開の桜シーズンに、日常から少し離れて三陸の美しい季節を満喫する。震災から5年目を迎え、復興の先へ進もうとしている三陸の新しい姿を発見するのも、きっと素敵な思い出になるはず。
(写真・文/しらべぇ東北支部・I.Ito)