都心から1時間で行ける秘湯!かぶと湯温泉「山水楼」
世界一の温泉大国である日本。「秘湯」という言葉には、癒しの湯宿の情景が浮かぶ。しかし、山道を何時間も揺られてやっとの思いで辿り着くというようなイメージも。
行ってみたいが遠くてめんどくさい、そんな時間もお金もない…「秘湯」という言葉には、そんなネガティブな声も聞こえてきそうだ。
そんな行きたいがなかなか足を伸ばせない「秘湯」が、もし都心から1時間ちょっとで行けたらどうだろうか。そこで、都心から車でわずか1時間で味わえる秘湯「かぶと湯温泉 山水楼」をご紹介しよう。
画像をもっと見る
■その「秘湯」は神奈川県厚木市の山中
秘湯といえば、都心から3時間は当たり前…そんなイメージがあるが、「かぶと湯温泉山水楼」は、都心(渋谷駅周辺)からなんと1時間ちょっとの神奈川県厚木市にある。
首都高から東名高速を経由し、走りにくい峠道もない道のりは、初心者でも楽々いける秘湯だ。
関連記事:社会人必見!半数以上が「いい文房具を使う人は仕事できそう」と思っている
■緑豊かな道の終わり…旅館が突然現れる
幹線道路の県道を1本それ、走ること数分。だんだんと細く、砂利道へと変わり、最後は行き止まりにたどり着く。その緑豊かな山中に、突然現れる一軒宿。それが今回の目的地「かぶと湯温泉山水楼」である。
都会の喧騒から一線を画す静かな空間と、風情のあるレトロな佇まいは、まさに「秘湯」の雰囲気だ。苦労してたどり着く「東北の山奥の秘湯」に来たかのような気分だ。
関連記事:【超得速報】クアアイナも対象!1カ月昼飯を1割引きで食べる方法がスゴい
■明治にタイムスリップ
館内は外観同様レトロな雰囲気で、明治の洋館のようなインテリアはとてもオシャレ。何十年もの歴史を重ねた空間は、新築には出せない独特の重厚感がある。立派な角が目を引く鹿の剥製も、存在感抜群だ。
この日は日帰り入浴での利用で、料金はひとり1,000円。厚木周辺の入浴料金の相場のようだ。
関連記事:【日本で最も行きにくい温泉】船でしか辿りつけない富山・大牧温泉が色々スゴい
■源泉かけ流し!強烈にスベスベヌルヌルな温泉
男女別の大浴場は、それぞれ内湯と露天風呂を完備。内湯は5人入ればいっぱいのコンパクトな浴槽がひとつ。そこに無色透明な源泉がなみなみと注がれている。
pH9.7という強烈なアルカリ性を示すこの温泉。肌触りは強烈にスベスベヌルヌル。まるで美容液の中に入っている感覚。
もちろん湯上りは、お肌ツルツル。それもそのはず、泉質的に見て、お肌の余分な皮脂や汚れを取ってくれる、典型的な「美肌の湯」である。
源泉は17.5度と冷たいため、加熱こそしているが、水で薄めず循環もしない「かけ流し」での利用。都心近郊ではなかなかお目にかかれない、マニアも認める貴重な温泉だ。
お湯からは、ほのかに香る硫黄がアロマテラピーのようで、温泉情緒をグンと高めてくれる。
関連記事:浴温泉キター!ひとりでは恥じらってしまう県民を縛る「鉄の掟」とは?
■山の風が心地よい露天風呂
露天風呂も内湯同様コンパクトなつくり。湯使いも内湯同様のかけ流しである。そして、目の前に広がる大自然の景色は、まさに「秘湯」そのもの。心地よい山の風に吹かれながらの湯浴みを堪能できる。
90年以上の歴史を持つ「かぶと湯温泉山水楼」。関東大震災の後、岩の間から湧く温泉が発見されたという逸話を持っている。休日に思い立ってすぐいける「秘湯」は、歴史的にも大変貴重な、素晴らしい温泉宿だ。
【かぶと湯温泉山水楼】
住所:神奈川県厚木市七沢2062
日帰り入浴(11:00~17:00): 1,000円~
宿泊(一泊二食付):12,000円~
(取材・文/しらべぇ編集部・小松歩)