『静岡ホビーショー』を現地取材 進むドローンの高性能化

2016/05/19 05:30


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静岡市は、プラモデル産業で支えられた都市である。タミヤ、ハセガワ、アオシマなどの有名模型メーカーの本社があり、静岡市に巨額の税を落としている。

そんな静岡市で先日、『静岡ホビーショー』が開催された。これは模型やラジコンの祭典とも言うべきイベントで、有名模型作家の作品展示や各社の新製品などが一同に揃う。また、このイベントは「最先端技術の見本市」の側面もある。


■各社ブースは大賑わい

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静岡市でもっとも大きい企業といえば、やはりタミヤである。同社は戦車や陸上兵器を取り扱ったMMシリーズが有名だ。縮尺は二種類、35分の1と48分の1。最近では「あまりスペースを取らない」という理由で48分の1スケールが人気を集めているという。

また、木製模型メーカーのウッディージョーのブースでは、熊本地震支援募金を受け付けていた。熊本城の木製モデルの売り上げも、城の復旧資金に宛てられるという。

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■ドローンの急速進化

出展されたのは模型だけではない。近年ではドローンの新製品紹介も行なわれている。昨年に航空法が改正され、今年はドローンを規制する議員立法が成立した。その中で行なわれた今年のホビーショーだが、去年の新製品よりも大型化・低価格化が一段と進んでいる様子だ。

同時に、そうした大型ドローンは、業者向け販売というニュアンスが強くなっている。ラジコン飛行機操縦者の団体もブースを出し、安全な飛行を呼びかける案内チラシを配布していた。


■改正法が好材料に

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ドローン規制により市場全体が縮小してしまうのではないかという不安があったが、それは今や払拭されている。むしろ航空法改正により適法・違法の基準が明確化され、製造メーカーはより具体的なビジョンをもって開発に打ち込めるようになった。

中でも「機体重量200グラム未満の機体は航空法の対象外」と規定された点は非常に大きい。これにより、ドローンのクラス分けが可能になったのだ。国土交通省と共同で安全啓蒙活動ができることも、市場にとっての好材料になっている。

ドローンは世界の産業を変革させるほどの発明品だということは、誰しも異論はないだろう。その進化の過程が、ここ静岡市で毎年お披露目されているのだ。

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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一

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