地球上で最も“黒い”物質「ベンタブラック」の黒さがヤバイ
既知の物質の中では地球上で最も黒いと言われる「ベンタブラック」で覆われた顔型の映像が面白い。
そこに何かが置かれていることはわかるが、顔型であることも、細かい凹凸があることも映像からは全く判別することができない。
しかし、それにはきちんとした理由があるのだ。
■当たった光を吸収
ベンタブラック(Ventablack)とは、多数のナノチューブから構成された黒い物質で、Vertically Aligned NanoTube Arrays(垂直に並べられたナノチューブの配列)の頭文字を取って名付けられている。
ベンタブラックに光を当てるとそのほとんどを吸収し熱に変えるという性質を持ち、その割合はなんと99.965%。つまり、我々の目に跳ね返ってくる光はわずか0.035%しかないのだ。
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■ほとんど陰影がわからない
BBCのTV番組「One Show」内で披露されたというベンタブラック製の顔型は、サイエンスTVプレゼンターのマーティー・ジョプソンさんが自らの顔を型取ったもの。
ゆっくりと回転する顔型の表面のみがベンタブラックで覆われており、裏面にはジョプソンさんの顔の凹凸がはっきりと見て取れる。
なぜ、ベンタブラックで覆われた表面からは皺や陰影が消えてしまったのだろうか?
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■まるで真っ黒な穴
我々の目は光が無ければものを見ることができない。
光さえも吸収してしまうブラックホールを見ることができないように、ベンタブラックでコーティングされた顔型もまた、ほとんど陰影を捉えることができない。
まるで、Photoshopでそこだけ切り取ったような黒い穴がぽっかりと口を開けているように見えるだけである。
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■様々な分野で活躍の可能性
このような性質からベンタブラックは、僅かな星の光も捉えられるよう天体望遠鏡の感度を向上するために使われたり、太陽熱発電の素材として用いることで、既存の物質からの大幅な性能アップが見込まれているという。
実用性もさることながら、この特性を活かして床や壁がベンタブラックで出来たホラーハウスや、触ってみるまで凹凸がわからないだまし絵のような立体アートを作れたら面白いんじゃないだろうか。
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(取材・文/しらべぇ編集部・びやじま)