長く住んだ日本を離れ故郷に帰った外国人「逆カルチャーショック」に苦しむ
日本に11年間住んでいたというカナダ人の男性が、故郷で「逆カルチャーショック」に苦しむ心情をredditで告白し反響を呼んでいる。
本来心休まる場所であるはずの故郷に、彼が違和感を感じてしまう理由とは一体何なのだろうか。
■投稿者のコメント
僕は2005年から11年間日本に住んでいて、今年の始めにカナダ(僕の祖国ね)に帰ったんだ。帰国した理由は少ないけど重大で、一つ目は娘をカナダの学校に通わせたかったんだ。二つ目は残りの人生を英語の先生として生きていくのが嫌だったからで、三つ目は両親がもう若くないから。そして四つ目はお金を貯めたかったからなんだ。
日本を離れるには十分すぎる理由だけど、日本の暮らしが辛かったわけじゃない。そもそもカナダを出ていった理由も何もここでやりたいことが見つからなかったからだし、日本での生活を体験してみたかったんだ。人生は充実していたし…特に独身の頃はね。何でもできたし、どこにでも行けた。でも結婚して子供が出来てからは、余分に使えるお金は一切無くなったよ。
今はこうしてカナダで暮らしているけど、全然馴染めていないように感じるんだ。日本にだって決して馴染めてはいなかったけど、少なくとも快適だった。カナダでの暮らしはそうじゃない。僕が日本で大好きだった藤沢や鎌倉のことを毎日のように思い出すよ…。
日本にいた頃はビーチにも行けたし、寺社仏閣巡りや散策を行こうと思った時に楽しめた。でも今僕が住んでいる街には大きなショッピングモールと谷沿いのハイキングコースくらいしかない。日本が恋しい。日本の食べ物、コンビニエンスストア、電車、雰囲気、何から何までが恋しい。
こんな逆カルチャーショックに苦しむなんて。僕は今、自分のことを決して受け入れてくれなかった国に対してホームシックに陥っている。この気持ちはいつか消え去るんだろうか?
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■これを見た人々の反応
「地元の人たちと親交を深めて、友達を作ったり同好会に入ったりするといい。新しい生活に慣れるのは大変だと思うけど、気持ちを切り替えていかなきゃ。カナダでの生活を受け入れられることを祈ってるよ。」
「僕もちょうど11年日本に住んでいたことがあって、数ヶ月前にグアムに引っ越したんだ。ネオンに彩られた都会的で快適な生活から、こじんまりして眠くなるような小島での生活への変化はものすごい事件だったよ。でもしばらくしたらショックはおさまって、今いる環境を好意的に受け入れられるようになったな。多分君は日本の良いところをこの先もずっと忘れられることはないだろうけど、時間が経つにつれて変化を受け入れられるようになるよ。
それに人生は長いんだし、なんだって起こり得る。もしかしたら前よりもっと良い条件で日本に戻れるかもしれないから、今の気持ちを奮い立たせて前に進むんだ。」
「日本の、特に東京のいいところは誰も自分に関心なんか持たないところ。外にでかけて電車で移動していても、見知らぬ誰かに話しかけられるなんてことはまずない。天国だよな」
「去年のクリスマスに久々に故郷に帰ったら何もかも変わっていて、住んでいる人々までそっくり変わっていて驚いたよ」
「僕は東京都心から田舎町に移り住んだクチだけど、それでも日帰りで東京へはいけたし、いつでも都会の暮らしを満喫することができたよ。都会に住むのに比べて圧倒的に経済的だし、田舎でも高速回線やAmazonの当日配送なんかの恩恵は受けられたしね。」
「どこよりも日本が故郷のように感じるよ。他のところはどこにも馴染めなかった。もちろん日本にだって完全に馴染めないのはわかっているんだけど、だからこそ自分の立ち位置がよくわかる。それがすごく快適なんだ。他の地域では僕はよそもので、そこに馴染まなきゃいけないように感じてしまう。日本でも僕はよそものだけど、誰も僕に馴染めなんて期待していない。まわりの皆と違った見た目をしていて、違った考え方をしていても、誰も僕に同じようにしろなんて思わないんだ。それって素晴らしいことだよね」
意外と多いのが投稿者と同じように逆カルチャーショックに苦しむ人々。それから「東京砂漠」なんて揶揄される都会の無関心さが逆に干渉されなくて快適だと思う人も多いよう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・びやじま)