グルメ口コミサイト『食べログ』がスコアをめぐって炎上 運営会社に背景を聞いた
カカクコムが運営する大手グルメ口コミサイト『食べログ』が、信頼の中核である口コミ評価をめぐって揺れている。
きっかけは、数店舗のレストランを経営する男性が、ツイッター及びFacebookに投稿した発言だ。
ウルトラチョップ全店の食べログスコアがいきなり3.0にリセット。そこに担当営業から連絡が来て「食べログのネット予約を使ってもらわないと検索の優先順位を落とします」と。仮にも飲食業界でビジネスするのならばもう少しお客様やお店や業界全体に資する気概はないのかねぇ…(苦笑)
— 高岳史典 (@takaokaf) 2016年9月6日
このツイートは7日20時の段階で2800回以上RTされ、Facebook投稿には堀江貴文氏など著名人もコメントを寄せている。
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■『ウルトラチョップ』を取材したところ…
しらべぇ取材班は、この男性が経営する『ウルトラチョップ』の麻布十番にある系列店を開店前に訪れたが、オーナーや店長は不在。若い男性店員は「自分ではわからない」とのことだった。
その後、恵比寿店にも電話したところ、「折り返す」との回答だったが、現段階までに連絡はない。そのため、元の投稿をベースに整理すると…
・「3.0」ではなかった食べログ評価スコアが、「3.0」にリセットされた
・担当営業から「食べログのネット予約システムを使わないと検索順位を落とす」と連絡があった
・「評価スコアと契約の件は、関係がない」とのこと
ということになる。
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■高評価が多いのに「3.05」?
『ウルトラチョップ プリュ』を例にとれば、16件という少なくない数の口コミが集まっており、そのうち14名は「認証済みユーザー」だ。
その評価をグラフ化してみると…
食べログ独自のアルゴリズムがあると思われるが、「3.05」という低い数値に近しい評価はなく、理解しづらい状況。
こうした騒動を嫌ってか、食べログを運営するカカクコムの株価は、7日午後に1,555円と前日比10.7%下落し、終値でも1,656円と年初来安値を更新した。
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■カカクコム広報室に聞いた
契約店から上がった疑問の声に対して、カカクコム社はどのように考えているのだろうか。しらべぇ取材班がメール・電話で何度も問い合わせたところ、以下のような回答を得た。
広報室:アルゴリズムに関しては、より信頼できる点数・ランキングをご提供するための定期的な見直しです。
今後も有料店舗会員サービスと点数・ランキングは関係がないことを各所でご説明していく所存でございます。
点数・ランキングの順位が落ちるかのように誤解されている方が多いのですが、ネット予約を使うと優先されるのは広告枠(標準ソートの検索結果)の中での話であり、評点とは全く関係がございません。
アルゴリズムが定期的に見直された影響でスコアが変更されたことは、事実のようだ。
しかし、「有料サービスと評点・ランキングは関係ない」「検索順位の優先も『広告枠』の中でだけ」とのこと。
今回、この契約店については、アルゴリズム変更と契約更新というタイミングが重なってしまったのが、不幸な偶然だったのかもしれない。
とはいえ、10名を超える認証済みユーザーが高評価するレストランの総合点を突然「3.05点」にするようなアルゴリズムで、本当にユーザビリティがいい口コミサイトと言えるのだろうか。
契約店とユーザー、さらには株式市場からの信頼回復が試される。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)