プレーヤーの4人に1人が難民化 「ポケモンGO」に未来はあるのか
まちかどを歩いては「モンスター」を探し、ボールをぶつけては捕獲する。「ポケモンGO」のルールは、わかりやすく単純である。
単純なルールゆえに老若男女が熱狂したブームは去りつつあるようだが、多数の人に受け入れられた理由のひとつには、地道にXP(ポイント)を積み増しつつ図鑑をモンスターで埋めていくというゲームの流れが、勤勉で忍耐力に優れるとされる日本人の気質にマッチしていたところがあるかもしれない。
画像をもっと見る
■ポケモン難民、10人に1人
ところでリリース当初からいわれていたのが、都市部と郊外、さらには地方の間で「ポケストップ」「ジム」といったゲーム上で重要な「設備」の分布に格差があったこと。設備に縁遠いユーザーらは、それらが豊富な都市部のユーザーをうらやむと同時に自らを「ポケモン難民」と名乗る動きがあった。
しらべぇ編集部の調査によると、自らを「ポケモン難民だ」とする人の割合は12.3%。都道府県別では、地方で割合が高いものと予測していたが大差は見られなかった。 となると「難民」意識は、居住地の違いによる「設備」の不公平さがもたらしているとはいえないのではないかという新たな予測が成り立つ。
たとえば、広大な面積と希薄な人口分布から難民が多いイメージを持たざるを得ない北海道では、難民を自覚している人が平均を大きく下回る5.6%にとどまっていた。予測の正確さを裏付ける数値といえるかもしれない。
関連記事:世界記録も達成した『ポケモンGO』 早くも飽きた人の割合は…
■非プレーヤーにも難民の存在を確認
さらに調査を進めてみると、実際にポケモンGOをプレーしたことがないという層で、難民を自覚している人が9.7%と1割近くいる。
プレーの経験がないのに「難民」とは理解に苦しむところがあるが、これは「スマホがない」「社会的な立場上、プレーするわけにはいかない」「ブームに乗り遅れて今さら感がぬぐえない」「そんな年齢ではない」といった意識から興味はあるがプレーを避けてきた人が一定数いることを指しているのではないだろうか。
なおプレーの経験がある人では、難民率が23.4%とおおむね4人に1人に上っていた。彼らが早晩、プレーに飽きてゲームから離れていくことは想像に難くない。 だとすれば、未経験ですでに「難民化」している層へうまく働き掛けていくことが、ゲームの未来を多少なりとも明るく照らしてくれるかもしれない。
・あわせて読みたい→世界記録も達成した『ポケモンGO』 早くも飽きた人の割合は…
(取材・文/しらべぇ編集部・前田昌宏)
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年8月26日~2016年8月29日
対象:全国20代~60代男女1368名(有効回答数)