「国民皆兵の国」スイス発・拳銃残弾カウンターが登場
アメリカには「銃の国」という側面がある。
銃規制の緩やかな州では頻繁に銃の即売会が行われていたり、全米ライフル協会主催のイベントでもブース販売が企画される。だが、そこで売られているのは銃だけではない。日本製の狙撃用スコープや狩猟用バギー、キャンピング用品なども取引されているのだ。
すなわち、銃にも「周辺機器」があり、その需要は決して小さくない。
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■「あと何発」がひと目で分かる
クラウドファンディングサイト『Indiegogo』に、このようなものが登場した。
スイスの会社が製造した『Observer』は、拳銃の残弾カウンターである。弾倉の下部に設置し、射撃ごとに残弾数を更新表示するというもの。
この製品はスイスメイド認証とアメリカ国内でのパテントを取得しているようで、拳銃のメーカーごとの種類が用意されている。シグ、ベレッタ、グロック、ワルサーの4メーカーに対応しているという。
これらはいずれもアメリカで人気の高いメーカーで、世界中の軍や警察に対しても製品を提供。また、Observerは銃特有の難点である「残弾数が目視できない」という問題を見事に解決している。
判断ミスの許されない戦場において、この製品は銃の利便性をより向上させてくれるだろう。
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■スイスは「銃大国」
ところで、スイスはアメリカと並ぶ「銃社会」として知られている。
スイスの場合は国民皆兵制があるから、健康な男たちは必ず兵役を経験。その際、自分に割り当てられた自動小銃を自宅に持ち帰るのだ。招集命令に即座に応じるためである。
実際、そうしたシステムがあったからこそスイスは救われた。第二次世界大戦当時、アドルフ・ヒトラーによるスイス侵攻計画を凍結させたのだ。
しかし、近年スイスでも乱射事件が相次ぐようになった。だから自宅にある軍用銃を駐屯地に保管させたほうがいいのではないかという議論が発生し、国民投票にまで発展。
その結果は、「否決」。すなわち、今まで通り軍用銃は自宅で保管することになった。
我々日本人が日常生活で銃を見ることはほとんどない。だがスイス国民にとって、銃は「日常の風景」でもあるのだ。
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■銃にも「周辺機器」が
銃の周辺機器という視点で見れば、その種類は多岐に渡る。
しらべぇでも以前、ステレオ付きガンロッカーや子供のイタズラ防止器具を紹介したが、「銃の安全」をテーマにした製品はここ最近急増している。それだけ暴発事故が多く発生しているのだろう。
銃の残弾に気付かず、あとでうっかり引き金を引いてしまったという事故はよくある話だ。それを防ぐために残弾カウンターが必要だ、という意見も確かにあるかもしれない。
日本人ならば「銃そのものを規制すれば済む」となるのだが、そこは豊臣秀吉のような人物が歴史上現れたか否かの違いである。
アメリカ人の場合は、独立戦争やアラモの戦いを例に挙げて「銃があればこその安全」を語る。常に銃の存在ありきで議論を進める。
だからこそ、銃の周辺機器の需要も高いのだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・澤田真一)