プロアスリートから評判が広がりつつあるヘルシーな赤身肉とは
近年さまざまな食の流行があるが、子供から大人まで好きな人の多い肉料理。
昨今は健康志向から脂質を抑えた食事に気を配るなど、ヘルシーな食生活を考えて肉料理を控えめにする人も少なくない。
そうした中で、今後ヘルシーな肉として人気になりそうなのが、プロスポーツ選手を中心に支持を集め始めている、カンガルー肉だ。
どういった特徴があるのか、プレミアムカンガルー肉「ルーミート」の輸入販売を行うバセル株式会社の長友隼人エリック氏に話を聞いた。
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■豪人口の約3倍いるカンガルー
「オーストラリアの人口が約2,100万人に対して、カンガルーは約6,000~7,000万頭。世界で最も数の多い野生の大型哺乳類です。その中でもプレミアムカンガルーとなるのは、特定のエリア捕獲されるオスの赤カンガルーだけになります。
野生のカンガルーをハントするため、肉質に影響を与える気候や水・食料となる植物が重要なんです。肉質的には良質な鹿肉や牛――穀類じゃなくて、牧草で育ったグラスフェッドビーフ系の赤身肉が近いと思います」
記者も実際に食べてみたがクセや臭みもなく、柔らかさと赤身肉特有の質感が楽しめる。
確かに赤身の肉はヘルシーではあるが、プロスポーツ選手に支持される理由はどこにあるのか。
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■脂肪を燃焼させる肉
「カンガルー肉には、体脂肪燃焼効果と筋肉増強効果が注目されサプリメントにもなっている『共役リノール酸』という成分が豊富に含まれ、すべての食品の中でNo.1の含有率なんです。
脂肪を燃焼させ筋肉を増やすことから、体重をコントロールしつつ筋肉をつけたいアスリートにとって、理想的な食材だと思います。
ルーミートを愛好しているプロスポーツ選手は、トレイルランナーやビーチバレーボールプレイヤーをはじめ、とりわけ広がっているのはバスケットボールのBリーグの選手たち。東京八王子トレインズの兼子勇太選手や、島根スサノオマジックに所属する岡本飛竜選手などを中心に、多くの選手がルーミートを取り入れてくれていますね」
また、アスリートだけでなく、この2年ほど赤身肉が流行っていることもあり、新しい食材を求めるシェフや飲食店オーナーからの問い合わせも増えているそうだ。
医学博士・管理栄養士の井上正子先生も、カンガルー肉のメリットをこう語る。
「カンガルー肉は、食肉の中で最も低脂肪・低コレステロール・低カロリー、しかも野生肉ですから筋肉の発達による良質タンパクと十分なヘム鉄分――健康な血液をつくる要素となる鉄分が期待できます。お肉が大好きだけど太り過ぎが心配、また、やせ気味だからもっとお肉を摂りたいという若い方にこそ、お勧めしたい食材ですね」
のんびりした生活に、ごちそうやお酒をしっかり楽しんだ年末年始で、太ってしまった…。そんな人たちにも、食べて脂肪を燃やせる成分を摂取できるカンガルー肉は、かなりオイシイ食材でもある。
まだまだ一般の食肉店に並ぶことはないため入手方法は限られるが、ヘルシーなお肉として今後ブームとなる可能性は高そうだ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・くはたみほ)