外国人モデルが日本人の格好をするのは差別?海外の反応は…
人気モデルのカーリー・クロスがアメリカのファッション誌「ヴォーグ」の撮影で日本人の格好をしたところ、「人種差別ではないか?」と批判を浴び、謝罪するという事態に発展した。
我々日本人からすると正直、どうしてこれが人種差別なのかピントこない部分も多いのだが、海外の人たちはどう思っているのだろうか?ネット上の反応を集めてみた。
■日本で撮影した写真が物議
問題になったのは、カーリーが実際に日本を訪れて行った撮影の様子。和を意識したテイストの衣装に身を包み、写真には力士とのツーショットなども含まれているようだ。
Karlie for Vogue US – March 2017 pic.twitter.com/Pbo9rssT8p
— bestkkpics (@bestkkpics) February 14, 2017
ところがこの様子が海外で「人種差別的」という批判を浴びてしまい、カーリーが自身のツイッターアカウントで謝罪を行うという事態に。
— Karlie Kloss (@karliekloss) February 15, 2017
“これらの写真は私自身のものではない文化的に対して適切とは言えず、このような撮影に参加してしまったことを心からお詫びします。私の目標はいつだって女性を元気づけ、力を与えることです。これから行う撮影やプロジェクトはその目標を反映したものであることをお約束します。”
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■海外の人々の反応
「こんなの誰が気にするの?」
「この写真で傷つけられている日本人は一人もいない。アメリカは不寛容の国になってしまっている」
「ほとんどの日系アメリカ人だって気分を害していないと思う。他のアジア系アメリカ人が「適切な日本文化」を押し付けてキレてるだけ」
「格好がどうっていうより、肌を黄色く塗ったことが問題になってるんじゃない」
「アジア系アメリカ人の三世だけど、こんなことに意義があるとは思えない。ただ、どうして一部の人が気分を害しているのかはなんとなくわかるよ。彼らは怒ってるんじゃなくて、軽く狼狽してるんだと思う。ハリウッドはたまにアジア人に演じさせず、白人の役者の肌を黄色く塗って演じさせたりするけど、あれは人種的なマイノリティに属する役者から仕事を奪っているんだ」
「相撲取りめいた男は本物なのかが気になる」
「こんなささいなことよりもすぐに怒り出す一部の人たちを問題にしたほうがいい」
「このいわゆる“文化の盗用”ってやつは純粋にアメリカ人の発想。誰にも求められていないものを生み出すだけ。自分たちが思う価値観を日本人に押し付けるのはやめようよ」
「とてもじゃないけど日本人の妻には見せられないな。彼女は多分この写真を最高にカッコイイって思うだろうから。アメリカがこんな風になっていく姿は見たくなかったな」
「差別も何も彼女が何の格好をしているかよくわからなかった」
「これは…ゲイシャじゃないだろ」
「正義の社会戦士たちにとって細かい違いなんて関係ないんだよ」
「これは日本で撮影したものなんでしょ?だったらカーリーが日本にインスパイアされた服装をしてても問題無いと思うんだけど」
「キモノを着てる人を見るとすぐにゲイシャって呼ぶ奴こそが真のレイシスト」
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■アメリカで問題になっている文化の盗用とは
多くの外国人同様、この写真のどこに気分を害する要素があるのかわからなかったのだが、一体どうしてここまで大きな騒動になってしまったのだろうか?
その謎の答えは上にもあったcultural appropriation(文化の盗用)と呼ばれるもので、“ポリティカル・コレクトネス(政治的正しさ)”と並んで近年のアメリカ社会を揺るがせている問題のようだ。
他者の文化に敬意を払うのは当然としても、価値観の押しつけが過ぎて息苦しい社会を作ってしまっては本末転倒ではないだろうか。
参考リンク:reddit
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(取材・文/しらべぇ編集部・びやじま)