他では絶対飲めない激レア酒も! 日本酒「試飲会」が楽しすぎる
日本吟醸酒協会が主催する『吟醸新酒祭』で『米鶴』『まんさくの花』『酒一筋』『李白』『浜千鳥』の蔵元を取材
④全員に愛されるよりブレない酒『李白』
島根県松江市の李白酒造が出した鑑評会出品酒(大吟醸)も、多くのファンを集めていた。企画室長の田中さんによれば、
「『李白』は、超辛口や大吟醸の場合でも味をもたせて芯がしっかりした酒をつくっています。地酒は、地元の食と一緒に育つものですが、島根の料理は味がしっかりしたものが多いためです。
さっぱりした日本酒が流行っていたときにもブレずにこだわってきたのは、100人すべてに愛されるよりは『李白じゃなきゃいけん』と言われたいから」
とのこと。トップクラスの酒が集まる場ではなおのこと、こうした個性が輝く。
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⑤宮沢賢治にちなんだ地元酵母『浜千鳥』
岩手県釜石市の『浜千鳥』の鑑評会出品酒『大吟醸 斗瓶囲い』は、酒米は兵庫県産の山田錦だが、岩手県で開発されたオリジナルの清酒酵母を使用している。
奥村杜氏は、
「『ジョバンニの調べ』という名前の酵母ですが、軽快な酸があって吟醸向きです。今年も香りがあり、すっきりきれいな味わいで、岩手のジョバンニらしさが出せたと思います」
と語る。出荷の9割は県内向けということもあり、もっと岩手ならではのテロワール(風土)にこだわりたいという思いから、隣の大槌町で地元の酒米『吟ぎんが』をつくる研究会も立ち上げた。
こうした試飲会は、酒蔵からのファンサービスも兼ねているためか、驚くほどリーズナブルだ。気になったら、地元での開催を調べてみるといいだろう。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)