「両親はホテル」で10時間放置された乳児死亡 親の奇行に弁護士も厳しい指摘
夜、寝かしつけた生後3ヶ月の乳児を置き去りに、ホテルへ出かけていった両親。その奇行に避難が殺到している
■保護責任者遺棄とは?
今回の事件は「言い訳の余地がない」と考える人も多いだろうが、子育てをしていると常に子供を見ていられないときもある。「保護責任者遺棄」はどうした場合に成立するのだろうか。
しらべぇ取材班が、子供の問題にくわしいレイ法律事務所の高橋知典弁護士に聞いたところ…
高橋弁護士:保護責任者遺棄は、要保護者を保護義務者が、遺棄した場合に成立する犯罪です。要保護者は、簡単にいえば、保護がなければ無事でいることができない人のことをいいます。
こうした要保護者に対し、「生きるのに必要な手当てをしないでいること」により、保護責任者遺棄罪が成立します。
もっとも、小さなお子さんを抱える一般の親御さんに言えることは、子供をずっと見ていなければ犯罪になるということではありません。
基準になるのは、あくまでもその子供を「その環境においていて、見ていないでいる間に、命の危険はないのか」ということです。
ですので例えば、お爺ちゃんお婆ちゃんや、ベビーシッターに子供を任せて外に出たということでしたら、時間が長くなろうと問題にはなりません。
一方で、時間が短くとも、高熱の出る車内に子供を置いてパチンコ等に行っていたというのであれば、保護責任者遺棄という可能性があります。
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■乳児には「うつぶせ寝」や窒息の危険も
高橋弁護士:今回事件となっているような生後3ヶ月の乳幼児は、寝返りでうつぶせになる、吐いたものが喉に詰まるといったことでも窒息等の危険にさらされることがあり、些細なことでも命にかかわる危険があることがあります。
さらには、授乳に関しても一般に「4時間に一度程度」といわれており、まだまだ一人で留守番させるのは到底無理な時期と言えます。
今回の被疑者である両親は、「約10時間も子供を家に放置した」とのことですから、「要保護者である乳幼児が生きるのに必要な措置を取っていない」と言われても、仕方のない状況でしょう。
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