『クレイジージャーニー』でも話題の危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレスが吠える

「ジャーナリスト論」をテーマにした、10月からの新連載コラムだ。

2017/09/30 18:30



■今、一番必要なスキルだと考えていること

編集者時代、正しい文章にこだわりすぎてなかなか筆が進まない著者を担当していたことがあって、「俺だったら書けるのに……」と正直思ったこともありました。

この経験から、僕は今でも情報を伝えるうえでは上手い文章を書くことより早く伝えることのほうが大事だと思っているんです。

以前、友人の小説家が「口述筆記より早く書けたら、だんだんと思考の速度で書けるようになる」と言っていたことがあります。

当時はピンとこなかったけれど、今ではよくわかります。文法的に正確な文章ではなくても、面白いことを正確に、早く文章にしてしまいたいんです。

誤解を恐れずに言うと、少々間違った文章でもいいんじゃないか……て、編集者は絶対言っちゃいけない言葉ですね(笑)。

もちろん、あとから推敲したりして、可能な限り正確性は高めますけどね。ともかく、今改めて考えてみても、「正しい日本語」を推奨する編集者の仕事は自分には合わなかったなと思います。


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■自身の経歴が今回の企画そのもの

丸山ゴンザレス

自分が調子に乗りやすい性格だという自覚があって、得意分野のフィールドだけで文章を書いていたり、「読者や連載元はこういう内容を期待してるんだろうな」と、成果物がある程度予測できてしまう仕事を続けていると、手抜きとは言わないですが、効率化していって余裕が出てくるので調子に乗って必ずポカをやらかすのが見えている。

今回連載を持つ『しらべぇ』のように、新しいジャンルや今までお付き合いのなかった場所に飛び込むことになんの躊躇もありません。

例えば今後、もしも僕が文芸作品や小説を書くことになったとして、「この世界ではお前はド新人だぞ!」と誰かに面と向かって言われたとしても、まったく気にならないですね。

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■ストレンジャー精神が生む覚悟
ライターマスコミメディアフリーランス編集者丸山ゴンザレスクレイジージャーニージャーナリスト
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