「12年間異動できなかった」復讐!? テレ東・濱谷晃一氏の異色のドラマ作り

『黒い十人の秋山』『下北沢ダイハード』『バイプレイヤーズ』などで知られるテレ東・濱谷プロデューサーにインタビュー!

2017/12/25 07:00

「人生最悪の一日」をテーマに気鋭の11人の劇作家が11通りのストーリーを描き下ろし話題となった『下北沢ダイハード』。

大杉漣、遠藤憲一など6人の名脇役が同居生活を繰り広げる“おじさん版テラスハウス”こと『バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~』。

さらにロバート秋山が1人10役を演じる本格ミステリーとして、情報解禁後、ネット上で大いに話題となった特別ドラマ『黒い十人の秋山』。

そんな話題作をここ数年相次いで手がけているのがテレビ東京の濱谷晃一プロデューサーだ。

一見華やかにも思えるテレビドラマの世界。しかし、濱谷氏が今のポジションに至るまでにはさまざまな苦労があったよう。

テレビマンとしてのこれまでや創作の裏側、そして最新作『黒い十人の秋山』の舞台裏を聞いた。


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■9年間も出し続けたドラマ部門への異動願い

濱谷晃一プロデューサー

学生時代から映画・演劇が大好きだったという濱谷氏。当初からドラマ制作が希望だったが、テレ東入局から12年間はバラエティ部門に在籍することになる。

濱谷氏:「生意気に思われるから最初の3年間はドラマ志望って言うな」って先輩から言われていて、実際3年間はそうしていたんです。でも、3年過ぎてから毎年異動希望を出してたのに、さらに9年間も通らなかったんですよね。当時は正直ひどい会社だなって(笑)


当時のテレ東は「女と愛とミステリー」みたいな2時間サスペンスしかなく、またドラマの枠も少なかったんで、若い人員が必要なかったと後で知りました。それから、枠も徐々に増えてきた結果、やっと異動できたのが若くもない35歳のときのことです。


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■同世代が気になって仕方なかった20代

濱谷晃一プロデューサー

異動までの間、濱谷氏が何もしていなかったわけではない。バラエティ番組のスタッフとして日々忙しく働く中、シナリオの専門学校に通っていたこともあるという。

濱谷氏:20代の終わり頃、「このままだと自分、本当にドラマ部に移れないかもしれない」「ドラマや映画を撮れないまま人生終わるんじゃないか」って真剣に思うようになりました。


というのも、20代の頃は自分の同世代がどんな活躍をしているかが気になって仕方なかったんです。


20代半ばの同世代がすでに映画を監督しているのに、自分はバラエティのディレクターとADの兼任みたいなポジションで焦ってました。


だったら「バラエティ班にいながらでも、自分で脚本書いて企画を通せば、ドラマを監督できるんじゃないか」と思うようになって。働きながら土曜日にシナリオの学校に通ったり、他局のシナリオコクールに応募したりしていました。


20代後半に差し掛かったタイミングで、自分の人生を改めて真剣に考えた経験がある人は少なくないだろう。この記事を読んでいる人の中にも、今がちょうどそのときだという人もいるかもしれない。

今、ドラマファンの熱い視線を集めている濱谷氏にも、そんな若かりし頃の「焦りの日々」があったのだ。

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■バラエティでの経験がドラマ作りに貢献
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