米・水・人のハーモニーで醸す地域密着型の酒 新潟・阿賀町の『麒麟山』に聞く
創業170年の老舗ながら、原料米を確保するため、社内に「アグリ事業部」までつくった。
■搾ったお酒は先進の設備で貯蔵熟成
「新潟清酒は、搾ったらしばらく貯蔵して出荷するのが通常なんです。うちの設備で一番課題だったのが貯蔵庫。資金もですが広い土地が必要になりますから、なかなか物件がありませんでした。統廃合した保育園の跡地が使えることになって、ようやく貯蔵庫を新設できたんです」
と、蔵元は真新しい建物を紹介する。新しく導入した貯蔵タンクは72本。サイズ違いで6種類そろっている。お酒の容量に見合ったタンクで貯蔵することで、酸化による劣化を最小限に抑えるのだ。
1階にはタンク58本と火入れ機が設置され、ろ過作業を行うスペースを兼ねており、2階には現在1万ℓタンクを12本設置、今後順次タンクを増設していくことができる巨大な建物だ。
搾ったお酒は蔵からタンクローリーで運んでくるのだそう。温度管理の行き届いた貯蔵庫で眠るお酒の仕上がりに、期待が膨らむ。
そんな蔵元が勧める蔵の酒は…
関連記事:笠井アナ、小栗旬との思い出を振り返る 「剛太郎をこの作品で…」
① 『麒麟山 伝統辛口 普通酒』
麹米に五百万石、掛米にこしいぶきを使っている。普通酒ながら精米歩合は65%と贅沢仕様。爽快ですっきりした味わいは、『麒麟山』伝統の辛口。毎日の晩酌にぴったりの定番商品になっている。
熱めのお燗が一番。焼き鳥によく合う。