『anone』第1話 坂元裕二が紡ぐ名言・名台詞をまとめてみた
『カルテット』『最高の離婚』『いつ恋』『問題のあるレストラン』などで知られる脚本家・坂元裕二の最新作『anone』。坂元節全開な台詞が話題に。
10日に初回の放送を迎えた広瀬すず主演ドラマ『anone』(日本テレビ系)。
当サイトでは翌日その内容を詳しくお伝えしたが、ストーリー以上に注目されたのが脚本家・坂元裕二が紡ぐ台詞だ。
ネット上でも「名言すぎる」「名台詞だ」など多くの反響が確認されているが、ここでは第1話に登場した台詞の一部を紹介したい。
■「努力は裏切るけど、諦めは裏切りません」(持本舵)
余命半年のカレーショップ店長である持本舵(阿部サダヲ)が客の青羽るい子(小林聡美)に放った言葉。
「努力は必ず報われるのかそうでないのか」については多くの議論があり、これまで多くの作家が表現してきた。長くなる&脱線するので詳細は省くが、近年では羽海野チカ著『3月のライオン』に登場する山崎順慶棋士の発言などが有名だろう。
そんな中、坂元は「諦めは裏切らない」という一文を追加することで的確に、かつ新鮮に表現することに成功した。
(なお、しらべぇが過去に行なった調査では「努力は必ず報われると思う」と答えた人は全体の24.1%。多くの人はたかみなに共感していないようだ)
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■「友達……って言うのとは少し違うけど、もう随分長い間パジャマを着て寝たことがないのは3人とも同じ」(辻沢ハリカ)
主人公であるハリカ(広瀬)がチャット相手である紙野彦星(清水尋也)に対して送った言葉だ。
『カルテット』(TBS系)で描かれたテーマのひとつに「旧来の価値観に縛られない共同体」というのがある。4人の音楽家たちが血の繋がりや家族といった枠組みを超えた関係性を構築していったわけだが、上記のハリカの台詞もそのようなニュアンスを感じさせる。(結果的にそう感じていたのはハリカだけだったわけだが)
しかしながら、「友達」などと言った単純な言葉で表現せず、小さなリアリティを積み重ねることで丁寧にキャラを描く坂元の筆力は「さすが」の一言だ。