北越の小京都で生まれた一見意味不明のアルファベットライン マスカガミに聞く誕生秘話
『F40』『J55』といった変わった名前の日本酒をご存知だろうか?
■ネーミングが興味のきっかけに
次にはこの自信作をどう流通に乗せるかだ。
「ネーミングで勝負することにしたのです。自分のクルマ好きが幸いしました。F40と表記して『エフヨンマル』と読んでもらう。普通酒で精米歩合40%は、ある意味、業界でも衝撃だったようです」
果たしてこの勝負は吉と出た。2月に仕込んで11月に発売、3カ月間で用意した量が完売したという。
こうして好調なスタートを切ったアルファベットラインは、続く『F60』も1年分が半年なくなり、『F50』は2カ月で売り切れ、『J55Yamahai』は発売と同時に売り切れた。
翌年からは『F40』も通常通り等級米使用で、11月に発売。やはり短期間で売り切れてしまう状況だという。
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■もはや量的競争の時代ではない
これからは高額商品を手がけたいと中野さんは展望を語った。
「もはや量的競争の時代ではありません。値段を半分にしたら2倍の量を飲んでもらえるか。それも無理でしょう。価値ある商品をそれに見合う価格で販売できるようにすることが必要です。
当社では2016年出品酒が入賞しました。同じ囲いの酒を入賞酒として4合瓶を1万円で出したら、2カ月でなくなったのです」
「日本酒は今の販売価格帯の幅を10倍ぐらいにしないと、商売として夢が描ける世界にならないと思うのです」と、蔵元は話を締めくくった。
次に蔵元お勧めの賞品を紹介。
①『萬寿鏡 F60 普通酒』
新シリーズ・アルファベットラインの定番酒。Fは普通酒、60は精米歩合60%の意味。吟醸仕込み用の1801酵母を使い、穏やかな吟醸香を伴う。辛口なのに旨み・甘みが広がり、喉越しはスッキリ。マイナス10度で貯蔵し瓶詰め時に1回火入れしている。
②『萬寿鏡 J55Sokujo 純米吟醸酒』
速醸酛仕込みで55%精米の純米吟醸酒。F60と同じ1801酵母を使用、香りのある爽やかな風味が特長。純米ならではの柔らかさと喉越しの良さ、豊かな余韻が楽しめる。
③『萬寿鏡 F40 普通酒』
アルファベットラインの先駆けとなった製品。普通ではない普通酒といわれる。それは普通酒には異例といえる大吟醸並みの精米歩合であるため。優しい香り、旨味が特長で飲みやすさもある。
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(取材・文/Sirabee編集部)