梨園の娘・春本由香が『犬神家の一族』に 兄・尾上松也は「父親のような存在」
歌舞伎俳優の父と舞台女優の母、兄はテレビでも活躍中の尾上松也さん。芸能一家で生まれ育ち、自身も舞台女優である春本由香さんに、11月から上演される舞台のこと、家族のことを聞いた
■「劇団新派」だからこそのリアル感
原作や過去の作品を観て、春本の中で描く「野々宮珠世」はどんな人物だと感じているのだろう。また、珠世を演じる上で意識していることはどんなことだろうか。
春本:犬神家のお孫さんたちが次々と亡くなっていくし、「なんで私がこんな目に合わなきゃいけないんだろう」って思うし、客観的に見ると「絶対、怒っていますよね?」っていう状況なわけですけど(笑)。
1976年、島田陽子さんが演じた珠世、2006年に松嶋菜々子さんが演じた珠世を拝見したんですが…。ぐっと堪えて探っていくっていう…すごく凛とした女性らしさと冷静な部分を感じましたし、私自身、意識していきたいなと思っています。
「劇団新派」が創り上げる『犬神家の一族』の注目ポイント、お気に入りのシーンを教えてもらった。
春本:『犬神家の一族』という名のとおり、お家騒動といいますか家族の話です。長い年月ずっと受け継がれてきた「劇団新派」だからこそリアル感があるといいますか…あ、仲が悪いとかじゃないですよ! 絆の強い新派らしさを感じる『犬神家の一族』になっていると思います。
『犬神家の一族』と聞いて、みなさんがすぐ頭に浮かぶであろう、白いマスクと逆さ立ちの恐怖さを、舞台上でどのように描かれていくのかも楽しみにしていただきたいです。
女形さんとのダブルキャストなので、是非どちらも観に来ていただいて! また違う珠世を観ていただけたら嬉しいなと思います。
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■歌やミュージカル、アニメにゲーム…
今後も舞台を中心に「色々なことにチャレンジしていきたい!」と語る春本。特に、アニメやゲームの話になると目が光る。
春本:歌うことは好きなので、今後も音楽活動やミュージカルにも挑戦したいと思っています。いつお仕事の話がきても準備できるように、本格的にボイトレで発声の勉強もしています。
あ! あと、アニメ関係の仕事やゲームのCMとか…出たいです! 大好きな格闘ゲームとか、カードゲーム、あとシミュレーションや育成ゲームも好きですし…全部出てきちゃいましたね(笑)。
芸能一家で生まれ育った春本由香。佇まいが凛としており、美声でハキハキと話す姿は「さすが、梨園の娘」と納得させられる。
しかし、口を開くと勝手に描いていたイメージを気持ちいいくらいに裏切る。「ラムをロックで飲むのが大好き」と豪快に笑い、アニメや漫画、ゲームの話になると、タイトルや声優の名前が溢れだし、止まらない。ジョジョポーズだってやってくれちゃうのだ。
このギャップこそが彼女の最大の魅力なのだろう。『犬神家の一族』のミステリアスな演技も、楽しみだ。
★十一月新派特別公演『犬神家の一族』
11月 1日~10日 大阪松竹座
11月14日~25日 新橋演舞場
公演の詳細はコチラコチラから!