ふるさと納税制度の未来はどうなる? 不満爆発の自治体や関係者に聞いてみた
ふるさと納税制度とは一体誰のためのものなのか? 総務省に翻弄され続けた地方自治体の苦悩の姿を追った。
いよいよ5月中旬にふるさと納税制度対象自治体が、官報で告示される。泉佐野市などの「暴走」もあり、総務省は最後の切り札、法制度化というカードを切ってきた。
総務省が後出しで次々にルール変更を行ったために、自治体は翻弄され続けたとも言える。ふるさと納税制度の未来は一体どうなるのだろうか。
■自治体の苦悩
3月28日、法制度化の説明会が総務省で開催され、都道府県の担当者が集められた。筆者は、複数の出席者にその様子を取材した。
総務省職員が法制度化の説明を行ったが、全体の説明時間はわずか1時間半。短時間で都道府県側が、制度の変更点の全てを理解できるはずもなく、説明会終了後、個別に総務省職員に質問するため、担当者たちが長蛇の列をなしたという。
「いつも総務省はこんな急な感じです」とこぼすある県の担当者の口調には、ウンザリ感が滲み出ていた。
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■東京都はふるさと納税から離脱
総務省は、4月10日までに各都道府県が各市町村の新制度参加への申出書を取りまとめて提出するよう指示。今まで総務省のルールを守って来た自治体は、申出書にチェックを入れるだけで済むが、ルールから外れていたり納税額が大きい自治体は、追加資料の提出が必要。
東京都はこの申出書の提出を見送り、自らふるさと納税制度から脱退した。申出書は「制度に加盟したら、ルールはもちろん守りますよね?」という、いわゆる「踏み絵」のようなもの。
年度末で職員異動の時期を迎えていた各自治体は、統一地方選挙も控えている中で急ピッチでの作業を強いられた。ただでさえ忙しい時期に「嫌がらせか?」という声も。