なぜ営業マンは経理をバカにするのか? 元敏腕経理マンに聞いた
多部未華子主演ドラマ『これは経費で落ちません!』で注目される経理という仕事。実際に経理部で働いた経験のある男性に根掘り葉掘り聞いた。
■経理の仕事で楽しいことは?
ーーなんか浪花節というか、やしきたかじん感が出てきた感じですね……話変わりますが、経理の仕事ってどういうところが楽しいんでしょう?
A氏:これは大企業特有の部分もあるかもやけど、基本的に社内での立場が上の人を相手にすることが多いことやな。もちろん、日々の計上業務はその辺の若手営業マンも来るんやけど、部長相手に1年目からアドバイスできたりもする。「本部長に説明せなアカンねんけどどうかな…?」って来た部長に対して「教えてあげるよ」みたいな。
ーー仕事ができる人と直接接することができると。
A氏:逆に辛いのは、最初に言ったように経理が『人の日記を清書する』面を持った仕事ということかな。俺なんもやってへんのに、人がやってきたことをただひたすら記録して、ひたすらチェックする……ってな。メモ帳全部B5サイズに揃えるより、やっぱり自分自身で日記書きたいワケよ。だから俺はその後、営業部に異動して、アフリカに行ったりしてる。まあ、もちろん世の中にはそういう清書的な作業が好きな人も全然いて、そういう人には楽しさしかない仕事なんかもやけどな。
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■謙虚さと感謝の気持ちを
彼は繰り返し、「あくまでうちの会社の話やけど……」と語っていたが、会社によってはかなり高度なことをしている場合もあるようだ。
もっとも、たとえ経理部の人たちが事務作業を中心に行なっている会社でも、「俺達が稼いでるんだぞ」的なスタンスで接すると、見透かされてしまうようなので、謙虚に、感謝の気持ちを持って向き合うのをおすすめしたい。
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(文/しらべぇ編集部・倉本薫子)