電車で座っていた女性 隣で座る男性の「不審な行動」に怒りをおぼえた

電車に乗っていたところ、隣に座っていた男性が不審な行動に…。肘や手の甲で触るのは痴漢行為? 齋藤健博先生の見解は…。

2019/11/17 05:30


■東京都の迷惑防止条例では…

弁護士・齋藤健博先生

まず、手の甲や肘で触る行為は痴漢に該当するのだろうか。齋藤先生の見解は…

「痴漢は、有形力の行使を伴い、わいせつな行為をいうことをいいます。これは刑法上の強制わいせつ罪が成立する条件を示したものですが、条例といって地方公共団体が独自に定める迷惑防止条例というもので処断されることがほとんどです。


東京都の迷惑防止条例では、『公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れることをいう』としています。


これにあてはめてみると、手の甲で触る行為は直接に服や身体に接触することになりますから、迷惑防止条例違反が成立しています。ですから、手の甲でもアウトです」


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■痴漢に遭ったらどうすべき?

では、今回のケースのような痴漢被害に遭った場合はどうすればいいのだろうか。

「明確に、迷惑防止条例違反になることを主張し、駅員を呼ぶなどして、警察対応をとることを視野に入れてください。


じつは、迷惑防止条例違反より強力とされる刑法上の強制わいせつ罪(刑法176条)の成立には、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした、と規定されています。着衣の上から臀部を撫でまわす行為に関しては、否定例もあるのですが、執拗な行為であればほとんどが強制わいせつ罪の成立が認められています。


肘で触れてくる行為も、どのような回数があるものなのか、動画を撮るなどして立証に備えるべきでしょう」


痴漢被害に遭い、相手の腕をすぐさま掴んで「この人、痴漢です!」と周囲に訴えることができればよいが、現実には、恐怖で何もできないという女性は少なくない。しかし、勇気を出して対応しなければ痴漢がなくならないことも事実。

今回のケースのように痴漢かどうか判断できない場合は、齋藤先生の見解のとおり、動画を撮るなどして後に備えてみてはどうだろうか。

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(文/しらべぇ編集部・二宮 新一 取材協力/齋藤健博弁護士)

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