つるの剛士が指摘した”保育士試験の受験資格”とは 厚労省は「議論重ねてバランスを調整」
保育士不足を解消するために、厚労省が本気で進める取り組みとは…
■集中取組キャンペーンを行うが…
では、保育士不足に対してはどのような対策が行われているのだろうか。厚労省は、「保育士確保集中取組キャンペーン」を実施中で、待機児童の解消に向け、2020年末までに約32万人分の保育の受け皿拡大を進めている。
そのためには、約8万人弱の保育士が必要だという。この目標が達成できれば、待機児童が0人になる計算だ。
具体的には、保育士の給与の改善が大きな柱。全国の保育所の割合は、公立が4割で残りは民間。民間施設のうち株式会社経営はごくわずかで、ほとんどが、社会福祉法人の経営だという。
社会福祉法人経営は、補助金頼みが原則。税制面で優遇されていることもあって大きく利益をあげることができず、人件費に十分な資金を当てることができない事情も。
厚労省によれば、保育士の資格を持たない補助者まで雇う余裕がある児童福祉施設は限られているのが実態で、「2年以上かつ2880時間以上の実務経験」を積むのは容易ではないという問題があるのだ。
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■処遇改善を実施
厚労省は、今まで園長と主任保育士しかなかったポストに新たな役職を設置。副主任保育士や専門リーダーには、月額4万円の処遇改善を行い、職務分野別リーダーには月額5千円の補助を行う。この費用は、市町村が半分、国が半分の負担となる。
以前は、いくら勤めても立場が上がらず、納得できずに辞めていくケースもあったとのこと。保育課担当者は、「やりがいと目標が持てる環境づくり、さらに給与アップをはかることで、今待機している保育士に現場復帰してほしい」と訴える。
さらにそれぞれの施設が補助者も十分に雇用できる環境を整え、実務経験を積みやすくすることで、保育士試験の受験資格を取りやすくする対策も求められるだろう。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)