中居正広の退所で始まるネットとテレビの勢力激変 「地上波からの解放」も
中居正広らの事務所退所など旧来TV権力秩序の解体を、「新しい地図」や木梨憲武らの活動とともに分析。
■TV 対 YouTube
ここにきて、YouTubeを始める芸能人も増えている。しかし、芸能人がYouTubeを始めれば人気が出るというものではない。それはネット側とTV側のある種の対立構造によるものだろう。メカニズムとしては媒体の距離感にある。
YouTubeはより近い距離感で動画投稿者と視聴者を結びつけるメディア。それに比べるとTVは距離感がある。そのとき、芸能人がYouTubeを始めても、人気にあぐらをかいた距離感が維持されてしまう。
カジサックことキングコング・梶原雄太は、YouTubeに身を預けた成功の代表例。宮迫博之もまだまだ、リスナーにどこまで寄り添えるかが問われる。
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■ジャニーズは地上波衰退に貢献?
ジャニーズはSMAP騒動を契機にするかのごとく直近では長瀬智也のように中枢メンバーを流出している。
明石家さんまは、矜持のように「YouTubeは敵」と言いつつ、同時に冗談まじりで「メリー派」と言うが、その矛盾が気になってしまうほどに、ジャニーズは地上波から中枢メンバーを流す。
『新しい地図』のWeb戦略は、 地上波から疎遠になりつつある芸能人に勇気を与えたのだ。中居のレギュラー番組は継続するようだが、元SMAPがネットメディアを捨てて地上波に戻ってくるわけではないだろう。
TVとネットメディアの力関係が大きく動きつつある。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)