自分は被害者だからと強気になり… 恫喝して“加害者”になってしまう場合も
被害を受けたことを理由に、加害者に強気の交渉……こうした態度を取ると、当初は被害者であったのに、事態があらぬ方向に転んでしまうケースが…
あらゆるトラブルにおいて、被害者は守られるべき存在ですが、「被害者」という立場になった途端、強気になってしまう人もいます。そうした場合、事態があらぬ方向に転んでしまうケースも…。
■強気になった被害者が恫喝で…
トラブルにおいて、当初は被害者であった方が、被害を受けたことを理由に強気に出てしまい、逆に恫喝や恐喝罪で起訴されてしまうケースなどは多いのでしょうか。
起訴にまで至ってしまうケースはあまり多くありませんが、厳密には「恐喝罪」が成立します。これは、権利行使と恐喝罪という、古典的な問題であると整理できます。
たとえば、お金を貸していて、その取り立てを脅迫を用いて行うと、正当な権利を有していても、恐喝罪が成立してしまうのです。
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■実際に起訴されたケースは?
被害にあったことを理由に強気の交渉を持ちかけ、逆に恐喝罪や恫喝で起訴されてしまった方の事例などはあるのでしょうか。実際にあった事例としては、不倫の慰謝料問題で、不倫をされた“被害者”側が、不倫をした“加害者”側を脅した……といったケースがあります。
慰謝料など、もともと合意によらずに発生しているのか、発生しているとして、どの範囲で損害が生じているのか、トラブルになりがちな権利が問題になっている場合、実際に恐喝などにつながりやすいといえます。実際に起訴されているのです。
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■被害者が取るべき対応は
例えば不倫や交通事故などでも、穏当な話し合いではない形での取り立ては、脅迫罪や恐喝罪になりえます。とはいえ、こういった法律的な判断を直ちにすることは困難でしょう。例えば、ぼったくりバーなどでも同じようなことが起きています。
「問題だな」「これはおかしいのではないか?」と感じることがあれば、その場でお金を払ったりすることがないようにする、持ち帰ることが重要です。追い込まれてしまうと、人間は冷静でない判断をしてしまうことが多いように感じています。
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(文/弁護士・齋藤 健博)