小林麻耶騒動からみるYouTube告発の有効性と問題点 失われた信頼関係が決定打に
小林麻耶の『グッとラック!』(TBS系列)降板騒動から、YouTubeでの告発の現代性を考察。
■信頼関係がなおも重要
いじめやパワハラがあればすぐにYouTubeで告発というのは一般的に言って早計であり、今回のケースは特に事務所と連携して解決するのが筋というのは至極賢明な意見だろう。
周囲との信頼関係が重要だという須田の含意は、非常に重要なポイントだ。事務所との関係もうまくいかずに契約解除という事実が、今回の騒動の決定打と思われる。
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■社会の流動性が必要
確かに、YouTubeのおかげで、幾人かの芸能人が柔軟なタレント戦略が可能となり、芸能界の権力構造にひびを入れようとしているだろう。また、今日の資本主義社会は流動性を推奨。すなわち、会社を変えやすい社会がよい。
これは「ムラ社会」文化が残る日本においても有益な面があり、まさにブラック企業などの問題に対抗する素地を与える。
■YouTube闘争と信頼
とはいえ、タレントが芸能界との信頼関係を無下にしてYouTubeで成功するには、メンタリストDaiGoのような特殊スキルが必要。YouTubeによって、既存の体制との権力闘争に対し、個人に非常に強力な武器が与えられた。
といっても、集団における信頼関係がやはり基本となるのであって、小林麻耶騒動および須田の炎上現象は、今日の時代の変化における1つの縮図であり、教訓を取り出せるものである。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)