「顔を出したことに後悔はない」 Luna.がデビューからの活動で抱いた葛藤
LIVE配信アプリの弾き語りをきっかけにデビューを果たしたLuna.。インタビューで活動を振り返ってもらった。
■SNSの世界に感じた疑問
―――『未熟なウルフ』はどのような思いを込めて作った楽曲なのですか?
Luna.:コロナの影響で、お世話になったことのあるライブハウスがなくなってしまったことが、すごく寂しくて。それから、私にとってもいろんな思い入れのある渋谷という街を描いた曲を書きたいと思いました。
「渋谷の思い出のライブハウス あいつのせいでなくなったんだ」という歌詞から始まって、コロナがきっかけでより執着してしまう人が増えたSNSについても。私もSNSをよく見るんですけど、容姿で判断されてしまって、内面が見えにくい世界だなと思っていて。
すごく面白い考えを持っているかもしれないのに、その人の素敵な面がゼロになってしまっているというか、容姿でしか判断されなくなっている一面に疑問を感じました。その中で自己主張することの大切さを伝えたくて、この曲を作りました。
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■「千人の諾々は一子の諤々に如かず」
―――力強い歌詞も印象的です。
Luna.:2コーラス目の中で「千人の諾々は一子の諤々に如かず」ということわざが入っていて、これは何でも人の意見に賛同して従う千人は、自分が正しいと思った意見をはっきりという一人には及ばないという意味。
自粛中、大勢の人が一緒になって、一人の人を攻めて、誰かが傷ついてしまうっていう状況を、SNS とかいろいろなところで見て、一人の人が意見を言うことってすごく難しいなと。
そんな中で、真っ直ぐに自分の意思を貫き通して意見を言える人ってすごくかっこいい。私もそういう人になりたいなと思って、このことわざを歌詞に入れました。
―――普通に生活している中では、そう簡単には聞かない言葉だと思うのですが、普段どうやって、そういった言葉を得ているのですか?
Luna.:本を読んだり、こういう意味の言葉はないかなと思ってネットで調べたりしてですね。私、調べないとわからないような意味を含んでいる、一見意味がわからないような古典文学の言葉がすごく好きで。
今回も私が伝えたい思いをピッタリと表現してくれる言葉はないかなと思って調べる中で、このことわざを見つけました。
―――お話を伺っていると、Luna.さんは多くの人が普通に気にも留めず通り過ぎてしまうようなことでも、深く、難しく考える性格なのかなという風に思いました。
Luna.:一つのことを難しく考えちゃいますね。他人にはあまり興味がなくて、「あの人があんなことを言ってる」みたいなことを思うことはないのですが、社会全体を客観的に見ていて、「変だな」「これってこういうことにつながっているのかな」とは、よく考えています。
■将来の目標はハワイに一軒家?
―――では最後に、今後の目標、将来的な野望を教えてください。
Luna.:直近の目標はアルバムとレコードを出すことです。最終的な目標は、前にラジオでも言ったことなのですが、譲れないことなのでもう一回言うと、ハワイにオーシャンビューの一軒家を建てることです。
―――アーティストとしての目標と思いきや、おうちを建てることが夢なんですね(笑)。
Luna.:違う違う…! それは本当に最終的な夢で、「ビルボードチャートで一位になって」という一番大事なことが抜けてしまいました(笑)。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)