23巻完結の漫画、じつは名作が多い説 しかし『鬼滅の刃』と決定的な違いも…
4日に最終巻が発売となった漫画『鬼滅の刃』だが、『週刊少年ジャンプ』の作品には同じく23巻完結の名作が多いことをご存知だろうか。
■じつは「悲しい共通点」もあった
まずは、96年から00年にかけて連載した藤崎竜氏の『封神演義』に注目したい。中国の同名の古典怪奇小説を下敷きにした同作は、繊細なタッチで描かれた魅力的なキャラクター、藤崎氏特有のメタネタが光るユーモアセンス、時折垣間見えるシリアス描写が、古代中国の世界観と見事に融合した傑作である。
05年から09年にかけて連載された『魔人探偵脳噛ネウロ』も23巻で完結した名作で、作者の松井優征氏は同作の後に『暗殺教室』でヒットを飛ばしたことは記憶に新しい。
いずれも作者の尖った感性が多くの読者を魅了した名作たちで、「引き伸ばし」の症状が見られない点を評価するファンも多い。しかし悲しいことに、2作とも「アニメ化に恵まれなかった」という悲しい共通点が。
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■『鬼滅』はアニメでブレイクしたのだが…
07年よりテレビアニメが放送された『ネウロ』だが、アニメオリジナルストーリーや、キャラの魅力を尽く外し切った改変は多くの視聴者を落胆させ、「あれはネウロのアニメではない」と主張する原作ファンも多数。実際、Googleにて「ネウロ」「アニメ」というワードを入力すると、「なかった」という身も蓋もないサジェストが登場する。
『封神演義』に至っては99年に放送されたアニメ『仙界伝 封神演義』の原作改変が多くのファンから不評を買い、2018年には『覇穹 封神演義』としてまさかの再アニメを果たした…のだが、あまりに駆け足すぎるストーリー展開などから、こちらも評価は散々。
一方で、同じく23巻完結の『鬼滅』はアニメのブレイクを切っ掛けに確固とした人気を築きあげており、漫画作品における「アニメ化」がどれほど重要であるか伺えるというものであろう。
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(文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ)