かまいたち、『M−1』直前に濱家を襲った不調 そのとき山内が思ったこととは
初の著書で自伝エッセイ『寝苦しい夜の猫』を上梓した、かまいたちの山内健司にインタビューを実施した!
■『M-1』直前、濱家の声が出なくなり…
―――第1夜(第1章)では、かまいたちさんが2位だった『M-1グランプリ 2019』について。
決勝直前に相方の濱家(隆一)さんの体調がみるみる悪くなっていって、仕方のないことなのですが、「この大切なときになんでやねん」と思ってしまいそうな状況です。でも、山内さんはそんな気持ちが全然なかったのがすごいなと。
山内:腹立つとかは全然なかったです。ベストは声出て、ちゃんとネタできることなんですけど、声カスカスでもオモロいと思ったから、本番までにどうなっていくんやろうなって感じでした。
―――ちょうど『M-1』の決勝の週に、ルミネの出番終わりでかまいたちさんに取材させてもらっていたのですが、濱家さんは見るからに体調が悪そうだったことをよく覚えています。
山内:これまでもどちらかの体調が悪いことはありましたけど、喉にきて声が出んようになることは一回もなくて。それやのに、ほんまに出なくなってたんで、すごいことが起こってるなと。
僕はもう2019年の『M-1』には出るつもりなくて、濱家に言われて出ることにしたんですけど、あんだけ「出たい出たい」言うてたやつが声出んようになってるのがオモロくなってましたね。
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■賞レースに勝つかは運次第
―――『キングオブコント2016』のときには、決勝前日のリハーサルで山内さんの声が出なくなっていたということにも驚きました。そのとき、濱家さんはそれをどのように受け止めていたんですか?
山内:濱家は、オモロいっていう感じじゃなくて、どういうこと? って驚いてる感じでしたね。体調が悪かったわけじゃなくて、リハのときに急に来たんで。
「首ストン」のネタ(※『キングオブコント2016』1本目のネタ)で、「やめろ、やめろ、やめろー!」ってセリフを叫ぶところで、たまにダメな声の出し方してしまったなってときがあるんですけど、それになって、咳が止まらなくなって。
やっと治ったと思ったら、ヘスヘスっていう感じの声で、リハも全然できなくて、小声でやってる雰囲気だけで終わってしまったんです。
決勝本番のときも、二本目行くだろうなって思ってたんで、一本目で「首ストン」のネタやるときもすごい怖くて、小声で「やめろー」って言いました。
―――山内さんは「賞レースに勝つのは、本当に運次第」と書かれていましたよね。
それで言うと、大舞台の直前で二人ともが突然、声の不調に見舞われる経験をしている、かまいたちさんは、賞レースで運に見放されたことになるわけですが、ドラマ性があるというか、「売れる」という意味では持っているコンビなんだと思いました。
山内:おもしろくなってますよね。賞レースの直前って、あそこはやっぱりこうかな? とか気にしがちなんですけど、(濱家の)喉のほうに意識が行って、いらんこともせず、予定してたネタを予定通りできたのは良かったのかなって思います。