中華料理店になぜ洋食? 平和軒名物「極厚オムライス」誕生秘話を聞いた
町の中華料理店でたまーに目にする「オムライス」。まさに昭和レトロを感じるスタンダードな一品だ。なぜ中華料理店にこのメニューがあるのか。
レトロな中華料理店でたまに目にする「オムライス」。なぜ中華料理に洋食なのか。新人オムライサーである記者がその謎を解くべく、現地に飛んだ。
画像をもっと見る
■区の職員に愛された店
近年、グルメ好きの間では「町中華で飲む」というトレンドが誕生し、家庭的な個人経営店にスポットが当たっている。
東京・祐天寺にある「平和軒」もその一つ。東急東横線「祐天寺駅」から徒歩10分という場所だが、毎日近隣の常連さんが足しげく通っている店である。
女将の石田愛子さんは、「主人の祖父の代から親戚が目黒駅周辺でいくつか料理店をやっていまして、この場所では二代目。以前は目の前に目黒区役所があり、よく職員の方に通っていただいていました」と店の歴史を記者に話してくれた。
関連記事:埼玉にあるデカ盛りオムライスが有名な中華料理店 別次元のボリュームに震えた
■ノスタルジックに浸りながら…
品書きはラーメン、かた焼きそばといった麺類から、酢豚、エビチリ、餃子といった定番料理、その他定食などがあり、変わり種としてはカレーライス、カツカレーなどの洋食メニューも。今回のお目当ては「オムライス」(750円)だ。
注文すると、鶏肉と玉ねぎを手際よくカットしていく愛子さん。店内に包丁のタンタンという音が響き、不思議なノスタルジー感が蘇った。いまや容姿醜怪となった記者がまだ豊頬の美少年と言われていた時、夕方、実家でこんな音を聞いては夕食の完成を楽しみに待っていたものだった。