スコップとシャベルの違いをチコちゃんが紹介 「大きいほうが…」
『チコちゃんに叱られる』で「シャベル」と「スコップ」の違いについて解説。足をかける場所や大きさによって呼び方が決まっていた。
11日に放送された『チコちゃんに叱られる!!』(NHK)で扱われたテーマのひとつ、「シャベルとスコップの違いってなに?」が注目を集めている。
■注目は「足をかける部位があるか」
シャベルとスコップ、サイズ感や柄の長さが違う両者だが、その差について考えたことがあるだろうか。チコちゃんはテーマについて「足をかけるところがついているのがシャベル、ついていないのがスコップ」と回答。
日本産業規格(JIS)によるとショベルは足をかけるところがあるものとされており、それ以外をスコップと呼ぶという。それぞれの道具の用途としては、足をかけて土や砂を「掘る」ことを目的としているのがシャベル、足をかけずに「すくう」ことを目的としているのがスコップである。
手で扱うような小型の道具の場合はJIS規格のようなルールは定まっていない。しかし、大きいものがシャベル・小さいものをスコップと呼ぶ分類で間違いないようだ。
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■呼び方には地域差も
こうした規格こそあるものの、人によって呼び方が異なってくるシャベルとスコップ。番組では、地域に着目して調査を開始。首都圏エリアでは、シャベルとスコップの呼び方が混在しており、結果を得ることができなかった。
しかし、大阪エリアでは、大きいものをシャベル・小さいものをスコップと呼ぶ傾向が強く、愛媛・高知・島根・広島・長崎・鹿児島・沖縄といったエリアでは、大阪と同じルールであることが判明した。
明治時代から大阪でシャベルとスコップを製造している老舗メーカーによると「大きいほうがシャベル(掘る)・小さいほうがスコップ(すくう)」で区別しているのだ。
番組ではさらに調査を続けた。北海道~北陸の北日本(北海道・青森・山形・宮城・新潟・石川)では、8割近くの人が「大きいほうがスコップ・小さいほうがシャベル」と回答。西日本とは真逆の関係となった。
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■関東で呼び方が混在する理由は…
テーマの解説をしていた大阪大学の真田信治名誉教授は、西日本と北日本で呼び方が異なることについて、「西日本では大型で『掘る』ために使っていたものをシャベルと呼ぶのに対し、雪が多い北日本では、大型の道具で雪を『すくって』いたためスコップと呼んだのでは?」と見解を示した。
また、関東で呼び方が混在する理由について、「戦後に東北地方から多くの労働者が首都圏に移動した影響で、北日本での呼び方が流入したのではないか」と推察を話した。
生まれた地域や父母、環境によってシャベルとスコップの呼び方は変わってしまいそうだ。チコちゃんの放送によって呼び方が定まればわかりやすくなるが、番組ひとつの力では難しいだろう。
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(文/しらべぇ編集部・Aomi)